まきストーブ普及の一方で、近隣との間でトラブルになる懸念もある。福井新聞のふくい特報班(ふく特)に「煙で困っています」との訴えが届いた。「風下に住むものとしては、大気汚染、迷惑行為」で、QOL(生活の質)が著しく低下しているという。環境省などは煙や臭いがでないよう、十分に乾燥させたまきの適正な燃焼を呼びかけている。
被害を訴えるのは福井県鯖江市在住の50代男性。「煙として目視できなくても、ひどい臭い。何より数分嗅ぐと喉が痛くなる」という。降雪期を迎え「晴れ間に換気で窓を開けたくても、煙が部屋に入ってくるため開けることができない。除雪も“くすぶられながら”するしかない」とつづる。分煙が進むたばこと比較し「数百倍以上の煙を、長時間出し続けることに何の制限もないのはおかしい」としている。
鯖江市によると、昨シーズン(1~4月)に3人から計5回、まきストーブの煙についての苦情が寄せられた。市の担当者は「(まきストーブ使用についての)法律や条例があるわけではない」と対応に苦慮しながら、口頭や書面でまきストーブ利用者に▽使用時間の配慮▽しっかりと乾燥させたまきを使うこと―などを伝えたという。
環境省作成のガイドブックによると煙や臭いは不完全燃焼が要因。十分に乾燥していない「含水率の高い」まきを燃やすと、揮発性有機化合物や一酸化炭素など有害物質を含む排ガスが放出される。防腐剤や接着剤、塗料が付いた建築廃材や、農薬の付着した樹木も有害なガスが発生するおそれがある。このため「よく乾いた無垢(むく)の燃料を使いましょう」と呼びかけている。
別荘地を抱えるなど、以前からまきストーブ人気が高い長野県では昨年6月、まきストーブを販売、施工する業者26社で普及と環境問題に取り組む「長野県薪(まき)ストーブ協議会」が設立された。協議会ではまきストーブの良さをアピールするとともに「煙が出ない正しい使い方の講習の実施や、厳しい排煙基準をクリアしたストーブへの転換を促すことで、年々増えている煙などに対する問題解決への一助になりたい」と力を込める。
出典:福井新聞
