ヤブレガサは日本原産の山菜です。北海道以外、落葉樹や広葉樹の多い林の中ややや乾いた場所、山や林の斜面に見られる多年草です。
早春に発芽しますが、若い葉は綿毛に覆われいて、葉が開くと名前のとおり破れた傘のように見えます。
葉が開き始める頃、収穫して葉と茎を山菜料理として食べます。
育て方によっては自宅でも簡単に増やし収穫することができます。
| 名前 | ヤブレガサ、カラカサグサ、破れ傘 |
| 学名 | Syneilesis palmata |
| 分類 | キク科ヤブレガサ属 |
| 形態 | 多年草 |
| 分布 | 日本(本州、四国、九州)、朝鮮半島 |
| 草丈 | 50〜100cm |
| 開花時期 | 7〜9月 |
春の3月ごろに芽を出し、若芽は全体が綿のような毛に覆われています。芽が出始めて少し伸び、葉が開かないくらいがちょうど収穫に適しています。茎が一本だけ伸びてきて、その先に葉を持っているのが特徴です。茎はまっすぐ伸びていき、株の生長にもよりますが、50~100cmまで伸びます。
早春に芽が出て葉も茎も綿毛に覆われていますが、茎が伸びていくと葉が開いてきて綿毛もなくなります。芽吹いたときはちょうど破れた傘をすぼめたような形です。花がつかないものは葉は1枚だけ、花がつくものには葉が2枚つきます。葉の直径は30~50cmで丸く広がり、手のひらのように7~9ヶ所深い切れ込みがあります。園芸種もあり、斑入りの葉もみられます。
夏、7~9月ごろ、茎の先に茎をスッとまっすぐ伸ばし、花の枝を交互に伸ばして白から淡い赤色の花を咲かせます。花の根元は筒状になっており、長さ9~10mmです。その先に小さな花を7~13個つけ、花の先は割れており、くるんとカールしています。葉はとても存在感があるのに比べ、花は白っぽく地味な印象です。
花が咲くと蜂たちがやってきて蜜を吸います。そうやって受粉すると冠毛、つまり果実の上についている毛が伸びてきます。果実は長さ4mmくらいで茶褐色、よく見るとたくさんの縦のシワがあります。冠毛は7mmにまで伸び、白く刺があり、上を向いています。その冠毛を利用して、果実は風に乗ったり動物についたりして広がっていくのです。
強い風があまり当たらない明るい日陰で育てます。風が強いと一本だけ高く伸びた茎が折れてしまい、傷ついて枯れてしまうためです。また、直射日光を嫌うので、特に地植えする場合は夏に日が当たらないところを選んで植えます。鉢植えにした場合は、夏は遮光したり日が当たらない場所に移動させたりします。特に園芸品種で斑入りのものなどは、斑がなくならないようにできるだけ日陰で育てるのがよいでしょう。
ヤブレガサの増やし方には株分け、根伏せ、種まきの3種類があります。株分けと根伏せは、芽が休眠している冬の時期に行います。それぞれについて説明していきます。
株分け
株が増えてきて混み合ってきたら、いったん土から掘り上げて株分けをします。株を見て枯れてしまった根を取り除いているうちに株が分かれてきます。これらを新しい土、場所に植えていきます。植え方、育て方は新しく苗を植え付けたときと同じです。根を切って分ける場合は、鋭利なナイフなどで切り口を潰さないよう切り分けましょう。
根伏せ
根伏せとは根を地面、土の中に埋めておき、芽を出させる方法です。植物によってはこの方法が使えないことがあるので気をつけましょう。ヤブレガサの場合は、株が増えてきて植え替えするときに太い根を株元からはずして、切り口が土の中に1cmくらいの深さになるよう植えます。2〜3ヶ月すると芽が出てきます。
種まき
秋になって花が終わると、そのあとに茶色くとがった種ができていることがあります。そっと取り、集めて保存袋に入れ、保存袋の中に湿らせた水ゴケなどを入れて冷蔵庫で保管しましょう。そして2月ごろ種まきします。最初に発芽するのは1枚の葉だけですが、翌年に移植するとだんだん株が大きくなります。あとの育て方は苗を植え付けたときと同じです。
山菜としてのヤブレガサの旬は3~4月です。落葉樹の林の中や斜面に、全身を綿毛に包まれた状態で芽吹くので、葉が開き切っていないときに収穫します。茎を手で持って折り曲げて採ります。近年たくさん収穫してしまって翌年から芽が出なくなる様子が見られているため、根こそぎ収穫せず、翌年やその後のために少し芽を残しておくことを心がけたいですね。
まず下処理をします。根元に固い部分があるようなら取り除いておきます。そんなに強くはないですがヤブレガサにも山菜特有のアクがあるため、お浸しやくるみ和えにするなら、さっとゆでて数時間水にさらしてアク抜きをしておきます。天ぷらにする場合は下ゆでする必要はありません。
ヤブレガサの代表的な料理
お浸し、あえもの
下ゆでしてアク抜きのため数時間水にさらしたあと、手でギュッと水気を絞って醤油で食べます。一番シンプルな食べ方です。味は春菊に似たような味で苦味がありますが、春の香りもよいものです。お好みで、すりごまやかつおぶしなど添えてもおいしいです。辛子和えにする食べ方もあります。お酒やご飯がすすむ一品です。
下ゆでやアク抜きをしなくても、そのまま天ぷらにできます。収穫したらできるだけ早く調理しましょう。特に葉の開いていない、若い芽を使います。天ぷらの衣をさっとつけて高めの温度でカラッと揚げます。塩だけでの食べ方や天つゆでの食べ方などお好みでいろいろ楽しめます。
炒め物
下ゆでをし、数時間水にさらしてアクを抜いたらギュッと手でしぼり、キッチンペーパーでよく水気をとります。フライパンを熱してごま油を少し垂らし、水気を取ったヤブレガサを炒めます。醤油を回しかけて皿に盛り付け、七味や細切りの唐辛子を上にのせれば完成です。少し苦味のある香ばしい炒め物です。
参照:BOTANICA






