試しに料理してみたのだが、収穫の容易さ、下ごしらえの手間の無さ、そして肝心の味の良さ、すべての面で雑草としては最高峰かもしれない。
ただし、好き嫌いのある味かもしれません。
これだけたくさん生えているので、バケツ一杯分を収穫するのも一瞬である。
野草でも山菜でも、おいしく食べられるものは苦労して見つけるものなのだが、スベリヒユはその辺で引っこ抜くだけだ。
これで本当に美味しかったら凄い話なのだが、さてどうだろう。
教えてくれた友人の話だと、生でも食べられるらしいので、さっそく柔らかそうな葉っぱ部分を選び、生で齧ってみることにした。
さてスベリヒユの味はというと、ちょっとえぐみがあって、しっかり青臭くて、歯がギシギシとする感じ。そして酸味とぬめりが特徴的だ。
ええと、まあまあ雑草ですね。
とはいえ、このままでも食べられないことは無い。生で食べたらもっとまずい野菜は山ほどある。今では大好きなクレソンやパクチーを初めて食べた時も、同じような違和感だった気がする。
スベリヒユの下処理は、根っこや枯れている部分などをチョイチョイっと捨てて、水で洗うだけだ。他にやりようがない。
最初に挑戦したいのは、あえての生食である。畑で食べた時は単体で味付けも無しだったが、サラダにちょっと入れるくらいなら、良いアクセントになるのではなかろうか。
冷蔵庫にあったマヨネーズ味のマカロニサラダに、刻んだスベリヒユを加えてみたところ、シャキシャキとした歯ごたえとハーブのような風味が加わって、どこか異国情緒を感じる料理になった。
生のままでも、しっかりと味付けをして、他の食材と一緒に少量を食べる分には、青臭さやえぐみは気にならないようだ。
スベリヒユが有りと無しの2種類のサラダが並んでいたら、私は迷わず有りを選ぶであろうというくらい、プラスの要素として評価できる。
続いては正攻法である加熱してどうなるかの実験。まずは沸騰しない程度のお湯で茹でてみよう。
火を通すことで、太い茎もそのまま食べられると信じたい。
茹でたら水にさらして、めんつゆと鰹節を掛けて完成。スベリヒユのおひたしである。
茹でることで、程よくえぐみや青臭さは抜けていた。ぬめりと酸味と歯ごたえという組み合わせで、今までに食べたことのないおひたしに仕上がっている。
たくさん食べると歯がギシギシとなるような感じが少しあるのは、ホウレン草などにも含まれるシュウ酸だろうか。ワラビのアク抜きみたいに重曹を加えてもいいかもしれない。
好き嫌いはあるだろうけど、私としては独特の風味と豆もやしみたいな歯ごたえが好ましい食材である。
スベリヒユの特徴は独特の粘り。茹でたものを包丁でよく叩いて粘りを強調してみよう。
粘りの強さは、オクラ以上メカブ未満というところだろうか。モロヘイヤレベルの粘りである。
これはそのまま食べるよりも、粘りの横綱と合わせた方がうまいのではないだろうか。
小粒の納豆と合わせてめんつゆで味付けしてみると、これがまったく違和感なし。このまま食べてもうまいし、ご飯や蕎麦に掛けてもバッチリ。ナイスなペアリングである。
「雑草」であり「粘り強い」という特徴を持つスベリヒユ。叩き上げのプロレスラーが好んで食べそうな食材だ。
あ、叩いて揚げて「叩き揚げの雑草」っていう料理名もいいですね。
続いてはしっかりと茹でたスベリヒユを、ニンニク、ショウガ、胡麻油、醤油、粉末鶏ガラスープで合えて、ナムルっぽくしてみた。
これはきっとうまいだろうと予想はしていたが、やってみると大正解。石焼きビビンバの上に、豆もやし、ぜんまい、スベリヒユとナムルが並んでいても、なんら違和感がないはずだ。
濃い目の味付けをすることで、雑草っぽさを全く感じなくなった。
ナムルにしておいしいのであれば、胡麻油で炒めただけでもうまいだろうと試してみたら、柔らかさの中に歯ごたえもしっかり残っていて、これもなかなかのものだった。
味付けはシンプルに醤油を使ったが、オイスターソースやナンプラーなどを使って無国籍料理を気どってもよさそうだ。





