緑黄野菜の乏しい雪国にとって、山菜は、なくてはならない貴重な食料である。秋田の伝統的な山菜料理は、おふくろの味とも言われ、保存の仕方、戻し方、食べ方に工夫を凝らした利用法が伝承されている。雪国の山菜図鑑では、秋田を代表する山菜の見分け方、採り方、簡単な料理法を紹介する。雪国秋田の森の豊かさ、大切さ、田舎の味に代表されるスローフードを見直すキッカケになれば幸いである。
雪国・秋田は、ブナ帯に位置している。ブナ帯の山菜は、種類も量も比較にならぬほど豊富で、多彩な調理法が伝承されている。早春、山の木々が一斉に芽を吹き、緑の衣をつけはじめる。あたり一面が若緑になると、山は、コダシを下げた山菜採りでにぎわう。
昔は、長い冬を越すために、ワラビ、フキなどの山菜用の漬物桶、キノコ類の漬物桶、ハタハタずしやマスの飯いずし、野菜の漬物桶など、大小さまざまな桶が土蔵や水屋に隣接した漬物小屋に並んでいた。
「春をさきがけてバッケが消えかかった雪の下から頭をもたげる。枯草のあいだから浅緑の拳がヌッと伸び上がった姿は新鮮でたくましい。雪国の人たちがバッケを見つけると、とても喜ぶ。いよいよ春だという確信が得られるからである。
日本中で最も普遍的に分布している植物がフキである。山里の田んぼの畔や道端、沢の土手など日当たりの良い場所に群生する。フキは雪解けの頃、花のツボミをバッケ(フキノトウ)と呼び、早春の味として利用されている。まだツボミが開かない若芽が旬。
- 採り方・・・採取は、まだ開かない若芽を選び、手でひねりながら採る。
- 料理・・・天ぷら、刻んで味噌汁、バッケみそ、揚げ田楽など。 独特の苦味が山菜マニアに好まれている。
- バッケみその作り方・・・よく水洗いし熱湯で色好くサッとゆでる/冷水にさらし、ザルに上げる/ よく水分をとり、細かく刻む/フライパンに油を熱し、味噌、砂糖を入れて練る/ 刻んだバッケを入れて、ざっと混ぜる
山菜特有の香りと苦味があり、ブナ林を代表する山菜の一つ。葉が開く前は傘のように垂れ、葉が開くとモミジの形をしていることからモミジガサと名付けられた。渓流沿いの斜面などに生える。秋田では、シドケと呼ばれ、山菜の王様として重宝されている山菜の一つ。
茎が太く、まだ葉が開かない傘のような状態が旬。右下の写真のように、色艶が美しく、茎の太い若芽が最上級品。
- 採り方・・・一般に、沢沿いの下にアイコ、上の斜面にシドケが生えている。採取は、できるだけ茎が太いものを選び、手で自然に折れるところから折るのがコツ。少々面倒だが、一本、一本根元をナイフで切り取ると、見た目が美しく後始末も簡単である。
- 料理・・・おひたし、天ぷら、汁の実、煮付け、油煮、ごま和えなど長期保存は、塩漬けや茹でたものを天日で乾燥させて保存する。
- 山菜のおひたし・・・山菜特有の香り、歯ごたえ、うまみを簡単な調理で味わうのが「おひたし」。まず塩を一つまみ入れて大鍋を沸騰させる。熱湯に山菜を根元から入れ、再度沸騰したらOK。茹ですぎると風味を損なうので注意が必要だ。茹でたら、素早く冷水にさらす。かたく絞ってからかつお節をふりかけ、醤油、ごま醤油などで食べる
◆その他山菜
アイコ(ミヤマイラクサ)、ホンナ(ヨブスマソウ)
アザミ類、コゴミ(クサソテツ)、ヤマウド
ギョウジャニンニク(アイヌネギ)、ヤマワサビ
ミズ(ウワバミソウ)、ウルイ(オオバキボウシ)
ワラビ、ゼンマイ、ヤマドリゼンマイ
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参照:医の国秋田桃源郷を行く

