桃のように白い果肉のすもも

城陽特産の寺田李(すもも)

 かつて旧寺田村(現・京都府城陽市の一部)の特産だった「寺田 李すもも 」の木が1本、製薬会社・日本新薬が運営する「山科植物資料館」(京都市山科区)に27日に移植された。今ではほとんど栽培されておらず、資料館は増殖も検討。「地域の貴重な樹木を大切に育てたい」としている。

 寺田李は、城陽市の農家森沢昭夫さん(96)が栽培。城陽・南山城地域の歴史を調べる市民団体「城陽の緑と文化財を守る会」などによると、森沢さんの祖先、善吉氏らが品種改良して生産を始めたとされる。

 「巴旦杏はたんきょう」などと呼ばれ、果肉は桃のように白く、1905年の村での収穫量は約540トンで、米に次ぐ農産物だった。明治時代末期に病気が発生して生産量の減少が続き、40年までにほとんどが桃や芋などに転換されたという。

 現在は市内で10本足らずが残っているとみられ、森沢さんは畑などで接ぎ木をして守り育てている。今回移植するのは、幹の直径約9センチ、高さ約1.8メートルの木で、森沢さんは「李を残してもらえる」と喜んでいる。

 資料館の見学には電話(075・581・0419)などでの予約が必要。

 
出典:読売新聞オンライン