野菜高騰の秋 ~レタス農家とアキダイの挑戦~


 今年の夏の平均気温は、3年連続で過去最高を記録。
 こうした猛暑が引き起こす問題、それが野菜価格の高騰だ。暑さで野菜の生産量が減り、市場の需要に対して供給が追い付かないため、値段が上がっているのだ。
 長野県川上村は、レタスの生産量で全国シェアの約3割を占める一大産地。しかし川上村では猛暑など異常気象の影響で、傷んだものや規格外のレタスが増え、市場に送る商品量が激減した。
 結果、1個あたりの売値は上がったものの、農家の収入は例年に比べ落ち込んでしまうことも。こうした野菜の異常事態に、小売りの現場も頭を悩ませていた。
 「日本一有名な八百屋さん」と呼ばれる、東京・練馬のスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は、仕入れ値の上昇や品質の低下に直面しながらも、安くておいしい野菜を消費者に届けようと奮闘していた。野菜の価格が高騰する中で、作り手と売り手は何を考え、どんな対策を講じているのか…厳しい局面を打開するために挑戦を続ける人々の姿を追った。

— 消費者だけでなく、生産者も支える小売りの形…アキダイの挑戦 —

「野菜が安い。すごい助かる」と客に愛されるスーパーが、東京を中心に9店舗を展開する「アキダイ」だ。 
 秋葉弘道社長(57歳)は野菜価格が高騰するいま、どうやって客にお値打ち品を提供しているのか…密着取材した。
 秋葉社長の基本は、「足で稼ぐ」こと。毎朝6時に青果市場へ行き、30年来の付き合いの卸業者たちから細かく情報を集め、モノはいいが売れ残った野菜を安く買い取っている。他にも、一部の生産者とは直接契約を結び、その生産者の元を頻繁に訪れてはコミュニケーションをはかり、同時に野菜の状態もチェックしていた。
 安くていいモノを仕入れるだけでなく、生産者に寄り添った販売も心掛けている。一般的に小売店では、箱で仕入れた野菜に1個でも傷みがあると、他の野菜は問題なくても箱ごと市場に返品することが度々あるという。こうした“小売り常識”に異を唱える秋葉社長…一体どんな方法でこの問題に立ち向かっているのか?

— “シェアNo.1”高原レタスに迫る危機…救世主は「ヒートガイ」 —

 長野県川上村は、標高1000メートル以上の高地で、夜間と日中の寒暖差が大きく、みずみずしい「高原野菜」が収穫できるという。
 中でも、レタスの生産量は日本一。全国で流通する夏秋レタスの約3割を占める。その川上村でレタス農家を営む川上真人さんは、今年の夏、畑に広がるレタスを前に呆然としていた。「これもダメ、これも…」猛暑の影響で、本来きれいな「球」になるレタスが、球にならない状態に。収穫したレタスの7割以上を廃棄処分する日もあったという。
 「やんなきゃよかった。失敗しちゃったよ」と嘆く川上さん。肥料や農薬、農業機械などのコストも高くなるばかり。ますます苦しい状況だという。そんな川上さんの元を訪ねてきたのが、地元JAの営農指導員・小池敬一さん。小池さんが生産者たちと進めているのが、新品種「ヒートガイ」の試験導入だ。
 ヒートガイは、老舗の種苗会社「タキイ種苗」が開発したレタスの新品種で、高温耐性に優れているという。野菜価格が高騰する中、問題解決の一手として挑む、ヒートガイの導入…果たして川上さんは生産に成功することができるのか?

 
出典:テレ東ビズ