炭疽病に強く、粘りも強く、おいしいジネンジョ新品種「夢とろろ」

[要約]

ジネンジョ新品種「夢とろろ」は炭疽病に強く、いもの肥大性に優れ、分岐等の奇形いもの発生が少ない晩生品種である。また,粘りが強く、香り、食味に優れる普及性の高い有望品種である。

[背景・ねらい]

愛知県のジネンジョの栽培面積は約17haで、中山間地域の特産作物として、生産振興が図られている。しかし、生産が不安定なため、優良品種の育成に対する期待・要望は極めて強く、ジネンジョの主要な病害である炭疽病に強く、肥大性及び粘り等の品質に優れた品種の育成が強く望まれた。そこで、これらの要望を満たし、かつ県下の中山間地に適応することを目標として新品種の育成に取り組んだ。

[成果の内容・特徴]

育成の経過
平成2年、炭疽病抵抗性の「系統A-11」を母に、粘りの強い「系統T-6」を父にして、交配で得られた実生から268株を養成し、これを母集団として選抜した。平成6年には炭疽病に強く、収量性、品質に優れた1系統(旧系統名S90-101)を選抜した。場内での生産力検定試験及び県内3ヶ所の現地適応性試験を行った結果、本系統は、産地の要望にかなった実用性・普及性の高い優良系統と判断された。平成12年秋に、育種目標を達成していると判断し、育成を完了した。平成13年2月22日に「夢とろろ」と命名して、品種登録出願し、平成13年7月12日に出願公表された(第13263号)。
特性の概要
炭疽病に強い(表1)。
芋の肥大が良く、表皮はなめらかで、分岐等の奇形いもの発生が少なく、ジネンジョらしい棒状のきれいな形に揃う(図1、表1)。
現在普及している「P-16」よりも粘りが強く(1.6倍)、肉質は緻密で白く、ジネンジョ特有の香りが高くて良食味である(表1)。
晩生品種である(表2)。
[成果の活用面・留意点]

ジネンジョの主要病害である炭疽病に強いため、薬剤防除回数を減らすことができ、栽培の省力化につながる。
晩生種であるため、早生種の「P-16」と本品種を組み合わせることで、労力の分散が可能で、更に規模拡大ができる。
平成14年、種苗センターからウイルスフリーのむかごが産地に配布され、各地域増殖施設(網室)で増殖された1年芋(生産苗)が平成15年には生産者に配布される。

[具体的データ]


【参照先不明】