食と栄養「ギンナン」【特集・頻尿・尿失禁・夜尿症】

出典:上毛新聞

 秋の味覚として親しまれているギンナンは、イチョウの実の中にある種の部分。サクランボのような黄色い果肉に包まれている。葉や実には特有成分のギンコライドが含まれ、頻尿の改善効果が期待されている。

共愛学園前橋国際大短期大学部生活学科栄養専攻教授 渡辺 静さん

料 理

 ギンナンを殻から取り出して調理すると、翡翠(ひすい)色となって料理が華やかになります。もちもちとした食感、ほんのりとした苦みが特徴です。この色や風味を生かし、茶碗蒸しや鍋物、串焼きや炒め物、揚げ物などに用いられています。最近では町おこしの特産物として、アイスクリームや麺、漬物やようかんなどにも加工されています。

栄養成分

 ギンナンは種実類(デンプンに富む堅果類)に分類されます。炭水化物が主成分でたんぱく質や脂肪は少なく、カリウムやβ-カロテン当量、ビタミンB1 やビタミンCを多く含みます。

 昔から滋養のある食べ物として、漢方薬に利用されています。イチョウの葉や実の特有成分であるギンコライドは血行を促進し、冷えからくる頻尿の改善に効果があると期待されています。摂取し過ぎると下痢や嘔吐(おうと)、さらにはけいれんを引き起こすこともあります。成人でも一度に食べる数の目安を10粒までとし、摂取量に注意して楽しみましょう。

 ギンナンは紙封筒に入れて口を2回折り返し、電子レンジ600ワットで約30秒かける。割れる音が数回したら取り出して殻をむく。
煎ったぎんなんを水煮したものを、頻尿(ひんにょう)、夜尿症には煎ったぎんなんを毎日 3~5 個食べるのがよいと言われています。

薬の効かない頻尿にも効果てきめん

参照:特選街Web柴田佳一(しばた・よしかず)

ギンナンは、頻尿など尿のトラブルに即効性があります。最初に知ったのは36年前でした。

当時、私は研修で中国を訪れていました。そのときに現地の人から「おしっこが近いときは、ギンナンがいい。結婚式の前に食べると、トイレに立たなくて済む」と教わったのです。

本当なのか確かめたくなった私は、自分の結婚式の前にギンナンを11個食べてみました。すると次々とお酌されたにもかかわらず、3時間の披露宴で、一度もトイレに立つことなく過ごせたのです。

以来、尿のトラブルを訴える患者さんに、ギンナンをお勧めするようになりました。すると私と同様、すごい効果が見られたのです。

症例をご紹介しましょう。5年前から頻尿だという80代男性。夜中は5回ほどトイレで目が覚めるそうで、寝不足で非常につらいとのこと。

「薬も効果がない」とおっしゃるので、施術とともに「寝る前に炒ったギンナンを5個食べてみてください」とお伝えしました。翌日には10個に増やしてもらいました。

すると、2~3日後には夜中のトイレが1回に激減。「よく眠れて、体がらくになりました」と、非常にお喜びでした。

【おまけ】
前立腺肥大症などで起こる尿が出にくい症状の場合は、ギンナン以上にいい方法があります。

お尻の割れ目の上あたりには尿の出をよくするゾーンがあり、放尿中にそこを軽くかくように刺激すると、尿の出がよくなります。