アズキナ(小豆菜)採り方・栽培方法

出典:山菜図鑑

~ アズキ菜(小豆菜)とは? ~

北海道から九州まで、日本全国の山野の日当たりのいい場所に自生する、多年草です。
高さは30cm~60cmで、茎は角がある稜で直立します。
葉は、茎の左右に互い違いに2枚の小葉がつく互生で、羽状複葉。
通常緑色で細長い卵形ですが、変形しているものもあります。

開花時期は6月~10月で、紅紫色の花を茎に房のようにつける総状花序で、10個ほどつけます。
その後、枝豆のような豆果ができます。
地下では木質で太い根茎を、束状に伸ばしています。

アズキ菜の正式名称は「ナンテンハギ」で、葉の形がナンテンに形がハギに似ていることから。
別名の「フタバハギ」は2枚の小葉が由来です。

岐阜県の飛騨高山周辺では、古くから食されていて、若い芽を茹でる時にアズキに似た香りがすることから、アズキナと呼ばれるように。
同じ理由から北海道の「ユキザサ」も別名アズキナと呼ばれていています。
癖のない味で、昔からアイヌ人に食されていたとか。

同じ別名ではありますが、ナンテンハギはマメ科で、ユキザサはユリ科ですから、まったく別な山菜となります。
ナンテンハギとユキザサを比べると、ユキザサの方がポピュラーな山菜でもあります。
またナンテンハギは、飛騨高山周辺では畑で栽培をされるほど、親しまれています。

中国では生薬としての利用もあり、秋に開花期の全草を刻んで水洗いし、天日で乾燥させます。
効能はめまい、疲労回復です。

名前 アズキ菜(小豆菜)ナンテンハギ(南天萩)
呼び名 ナンテンハギ、フタバハギ アズキッパ
学名 Vicia unijuga
分類 マメ科ソラマメ属
旬の時期 4月~5月
採れる場所 日当たりのいい山野
食べ方 茹でて和え物や揚げ物
似ている植物 トリカブト

アズキ菜(小豆菜)の採り方・食べ方

採集時期は4月~5月で、
採り方
新芽や若葉が食用となります。
地下に肉厚な根茎があり、そこから若芽が束になって生えるのが特徴です。

新芽や若芽の根元部を、ナイフやハサミで切り取るか、手でもぎ取って収穫します。

間引きするように採って、次の年も生えてくるようにするのがマナーです!

食し方としては若芽を摘んで茹でてあえものや素揚げ、汁の実、天ぷらなど。
似ている山菜に、毒性の強いトリカブトがあります。
もし採集でどちらか迷った場合は、採集を中止しましょう。

◆調理のポイント
炒め物や天ぷらの場合は生のまま調理しますが、和え物やお浸し等は下茹でします。生のままだと少し青臭みがあるのでお勧めはしません。

◆茹で方
沸騰している湯の中に泳がせるように1分程度茹で、すぐに冷水に落とします。冷めたらすぐに引き上げてよく水気を切っておきましょう。湯に塩は加えなくても大丈夫です。
◆おひたしや和え物
さっと下茹でしたものをお浸しや、胡麻和え、酢味噌和えなどにします。ポン酢をかけて食べても美味しいです。

◆天ぷら
数本の芽をまとめて衣を付けて天ぷらにします。

◆炒め物
あずきな/小豆菜/ナンテンハギ/南天萩
あずきなだけで炒め煮にしたり、パスタの具として下茹でしたものを仕上げに絡めても美味しいです。

◆汁物に
味噌汁やスープの具に加えても良いでしょう。

アズキ菜(小豆菜)の栽培方法

日本が原産国のナンテンハギの苗は流通量は少ないです。
でも種から育てたいと思ったら、冬にナンテンハギの種を、山の中まで探しにいかないとないようです。
北から南まで分布しているように、暑さや寒さにも強く、比較的丈夫ですから、日当たりのいい場所であれば育ちます。
ほおっておいても育ちますが、水や肥料を与えれば、成長を促すことができます。