ミカンに多く含まれ体内保持が難しいとされるビタミンCが、リンゴと一緒に摂取すると体内から排出されにくいことが、青森県立保健大学の井澤弘美准教授(食品加工学、食品衛生学)の研究室が行った調査で分かった。
ビタミンCは免疫系を強化する働きなどがあるが、摂取しても尿として排出されやすい特徴があり、小まめに取ることが大切とされる。井澤准教授によると、リンゴにはビタミンCが多く含まれると思われがちだが、果物の中ではさほど多い方とは言えない。100グラムのリンゴに含まれるビタミンCは4~6ミリグラムほど。これに対し、温州(うんしゅう)ミカンはその約6~8倍に当たる32~35ミリグラムに上る。
大航海時代には、多くの船員たちが長い船上での生活により、ビタミンC欠乏症(壊血病)で命を落とした。そんな中、リンゴや、リンゴが原料のシードルが壊血病を防いだ-といわれている。井澤准教授らは、ビタミンC含有量が低いリンゴが壊血病を防ぐことができた仕組みを解明しようと実験を試みた。
実験では、健康な20代女性15人を二つのグループに分け、どちらも絶食を経て午前9時にアスコルビン酸(ビタミンC)100ミリグラムを摂取してもらった。一方のグループはリンゴ果汁(ビタミンC不使用)195ミリリットル、もう一方は水を同時に飲んでもらった。午後5時まで2時間おきに採尿し、尿中のアスコルビン酸量を調べた。その後、グループを入れ替えて再度実験した。
その結果、4時間後、リンゴ果汁を飲んでいないグループの尿中アスコルビン酸が平均21.66ミリグラムだったのに対し、飲んだグループは平均13.28ミリグラムにとどまり、ビタミンCの排せつが抑えられていることが分かった。
研究室は、今回判明したリンゴの効果のメカニズムを明らかにするため、細胞実験による検証を進めている。井澤准教授は「リンゴと、ビタミンCが豊富なミカンは収穫時期がほぼ同じで、市場では競合関係にあるが、この二つを組み合わせるとビタミンCを効率よく摂取できる可能性がある」と指摘。「リンゴとかんきつ類の相乗効果の検証や加工食品の開発にも取り組みたい」と語った。
出典:Web東奥
