バイオ炭を土壌改良材に 肥料「地産地消」に挑戦

簡易炭化器で梅の剪定枝の炭化を実演

 和歌山県みなべ町芝の南部高校食と農園科は、同校から出る生ごみなど地元の排出物を使った堆肥作りに取り組んでいる。数年がかりでオリジナル肥料を完成させ、将来的には肥料を「地産地消」することで、環境に優しく持続可能な農業につなげることが目的。地域で処理が課題になっている梅の剪定(せんてい)枝も、バイオ炭にして土壌改良材として使う挑戦を始めた。

 同科の園芸コースでは、調理コースの実習で排出される生ごみを堆肥化させる研究に2023年度から取り組んでいる。

 タマネギやニンニクなどで栽培実験して成分を分析した結果、よく育ったが、生ごみ堆肥ではリン酸成分が少ないことが分かった。そのため、同町芝の「再創(りそう)社」(西山孝三代表)から提供を受けた、下水処理場の脱水汚泥から製造している肥料を混ぜ合わせてリン酸成分を補うことにした。この混合肥料を使い、25年秋から冬にかけてキャベツとブロッコリーを育てた結果、市販の化成肥料と同等によく育ったという。

 さらに、土壌改良材として畑にまく市販の苦土石灰の代わりとして、梅の剪定枝で作ったバイオ炭の活用を検討している。

 18日には食と農園科園芸コースの1、2年生(23人)が参加し、同校で初めて梅の剪定枝をバイオ炭にする実演をした。簡易炭化器は立命館大学・日本バイオ炭研究センター(大阪府茨木市)から借りている。

 みなべ町SDGs(持続可能な開発目標)未来都市事業「バイオ炭グループ」リーダーの真造賢二さんや、町SDGs未来都市アドバイザーで日本バイオ炭研究センター客員教授の大和田順子さんが講師を務め、同校の畑で剪定し乾燥させた枝約50キロを20分ほどかけて炭化させた。

 また、真造さんから、町内で年間約9千トンもの梅の剪定枝が出ていることや、バイオ炭を畑に使うことで二酸化炭素が削減されることなど、地域の課題やバイオ炭の有用性について学んだ。

 同校は今後、バイオ炭の成分を調べて苦土石灰と比較した上で、今年の秋ごろにはタマネギやニンニクなどの栽培実験をする予定。

 園芸コースの古久保友作教諭(26)は「数年かかると思うが、町内や南部高校から出たもので作った環境に優しいオリジナルブランドの肥料と土壌改良材を作り、育てた野菜に付加価値を付けたい」と意気込む。

 2年生の藤川璃久さん(17)は「梅の剪定枝で作ったバイオ炭を使えば、さらに環境に優しい野菜作りができる。実際に栽培してみて、どういう野菜に合うのか、成分はどうなのか調べるのが楽しみ」と話した。

 
出典:紀伊民報