出典:HORTI
収穫の時期・方法は?
カキは日本で古くから親しまれている果物の1つです。庭先に植えられることが多く、秋になるとたくさんの実がついているのを見かけます。
カキの実を毎年収穫するには、摘蕾・摘果と剪定をきちんと行うことがポイントです。摘蕾や摘果が不十分で、実がなりすぎてしまうと、翌年の実つきが悪くなってしまいます。
また、枝先に花芽がつくことから、剪定のときに切り落とさないよう注意してください。
「桃栗三年カキ八年」ということわざがありますが、接ぎ木苗などを利用すると4年ほどで実をつけるようになりますよ。
主に接ぎ木のための台木を育てるために、種から育てます。11~3月が適期で、実の中から取り出した種を使います。
- 育苗ポットに赤玉土(小粒)を入れ、種をまく
- 土が乾かないように水やりを続けて管理する
- 暖かくなった頃に芽を出す
- 本葉が3~4枚になるまで生長したら、鉢や地面に植え替える
暖地なら11~12月と2~3月、それ以外は2~3月の暖かくなった頃が適期です。植え付けてから4~5年で花が咲き、実がつくようになります。
12~2月に、幹への日当たりと風通しがよくなるよう、伸びすぎた枝や内向きの枝など、余分な枝を切り取ります。
枝先の花芽を切り落としてしまうと、実がつかなくなってしまうので、時期を守って剪定をすることが大切です。
摘蕾は4~5月に行います。1つの枝には蕾が3~5つほど残し、他を手で摘み取ってしまいます。内側にある、大きくて萼が4枚ある蕾を残すのがポイントです。
また、カキは悪い実が自然に落ちる「生理落下」という性質を持っています。この生理落下が終わった6~8月に、摘果をすすめていきましょう。
1つの枝に実を1~2個残し、他は手やハサミで取り除いてください。実が適当についていれば、摘果は無理に行わなくてもかまいません。
8~12月頃、カキの実がオレンジ色になってきたら収穫のタイミングです。手で実をもって枝から外します。果実を収穫せずに放っておくと、樹の養分が奪われて、翌年以降の実付きが悪くなるので、ご注意ください。
カキは、種まきか接ぎ木で増やすことができます。種まきは、植え付け時と同じ時期と手順で行ってください。接ぎ木は、3月中~下旬が適期です。
- 前の年に伸びた枝を5~10cm切り落として接ぎ穂を作る
- 種まきで育てた苗の幹を、株元から2~3cmのところで水平に切って台木を作る
- 台木に、垂直に切れ込みを入れる
- 接ぎ穂の切り口を、台木の切れ込みと合うようにカットする
- 接ぎ穂と台木の切り口を密着させ、接ぎ木テープで固定する
- 株全体にビニール袋を被せ、上下を輪ゴムで止めて乾燥を防ぐ
- ビニール袋に当たるくらい接ぎ穂が育ったら、ビニール袋を取り除き、鉢や地面に植え替える
「桃栗三年 カキ八年 人の命は五十年 夢の浮世に ささので遊べ」という歌があります。
このように、カキは実をつけるまでに時間がかかる果樹ですが、一度実がなれば10~40年もの間、秋に果実をつけ続けてくれますよ。じっくり育てて実がついたらおいしく味わってみてください。