エゾイラクサ、蝦夷刺草 | |
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分 類 | 山 菜 |
分 布 | 中部以北の本州、北海道 |
採り方 | 茎に刺毛があり手袋着け、春の出立ての頃に葉があまり開く前の地際から採る |
食べ方 | 若葉茎を湯通しして繊維を取ってお浸しで食べる |
増やし方 | 種、株分け |
出典:九州大学農学部
イラクサ科イラクサ属の植物で湿気がある山地に群生し,2m超に成長します.近い仲間を総称してイラクサとしばしば呼ばれます.
この仲間は林内散策の時に注意すべき「危険な」植物です.茎に多数のトゲを持ち,その中は空洞でシュウ酸や酒石酸などを含む物質で満ちています.トゲの先端は触れると簡単に折れて刺さり,これらの成分が注入され痛痒さを引き起こします.似た症状が出る蕁麻疹はイラクサの漢名である「蕁麻」が由来とされています.
このトゲによりイラクサは捕食者から身を守っています.シカが多い地域ではトゲの密度や長さが大きくなることが知られています.
一方,人間はイラクサを活用してきました.トゲが少なく柔らかい新芽は山菜となります.茹でてお浸しや天ぷらにするとクセが無く,おいしく食べられます.また,茎からは強い繊維が取れるため,アイヌ民族は植物が枯れる秋に茎を集め,取り出した繊維を衣類などに利用しました.