リンゴの皮と実で残留農薬量を比べたら

 

~ 残留農薬の簡単低減法 ~

野菜や果物を栽培する過程で、害虫や病気による被害を防ぐために農薬の使用は大変有効な手段の1つです。しかし、消費者にとっては気になるところ…。残留農薬が基準を満たした安全な量であったとしても、できれば口に入れたくないと思う方もいらっしゃるかと思います。そこで、りんごの果皮と果肉での農薬濃度の違いを調べた実験の結果をご紹介します。

~ 実験の方法 ~

りんご3検体を実験に使用し、それぞれを①果実全体(へたと芯を除いた果皮と果肉)、②果皮のみ、③果肉のみに分け、分析機器を用いて176項目の農薬分析を行いました。

~ 実験の結果 ~

①果実全体と②果皮のみの検査部位からは右ページの表のとおり、農薬が検出されました。これに対し、③果肉のみの検査部位から検出された農薬はありませんでした。この実験では、検出された農薬は、全て果皮に残留していることがわかりました。

~ まとめ ~

農薬の性質によっては果肉から検出される可能性も考えられますが、今回実験した176農薬では、皮をむいて食べることが、農薬の摂取量を減らすことができる有効な方法の1つであることがわかりました。なお、今回検出された農薬は、食品衛生法に規定された検査部位(果実全体)では、全てが農薬残留基準に適合しており、また、最も高濃度であった果皮でも健康を損なうおそれがない濃度でした。

この実験や食品中の残留農薬に関するお問い合わせは、23ページの食品
衛生検査所(青果)まで。ホームページに関連実験の情報も掲載しています♪
http://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/shokuhin/life/sijounosyoku/index_2.html

トリビア! りんごのCA貯蔵による長期保存
季節を問わずお店で見かけるりんごは、実はほとんどが秋に収穫されたものだとご存じですか?普通だったら悪くなってしまうハズ…。りんごの貯蔵には“CA貯蔵”という技術が役立っています。“CA貯蔵”とは、発泡スチロールなどの断熱性の高い容器内を空気より酸素を少なく、二酸化炭素や窒素を多くした条件とし、低温、高湿度状態にすることで、りんごの呼吸を抑え、成熟・老化を抑制し、品質の劣化を防ぐ方法です。この技術によって1年を通して安定した供給が可能になっています。

出典:リンゴの皮と実で残留農薬量を比べたら