「白いリンゴ」新宿デビュー 青森の女子高生が開発

 

 青森県の女子高生が開発した「白いリンゴ」が、高級フルーツショップ「新宿高野」本店(東京・新宿3丁目)で13日からお披露目される。各種ビジネスコンテストで賞を受けるなど話題のリンゴ。新宿高野の担当者も「白と赤の組み合わせは贈答用にうってつけ」と話す。

 5日朝、青森県南部町のリンゴ農家、泉山茂さん(60)がリンゴにかけた袋を外すと真っ白な「ふじ」が顔を出した。「これだけ白ければ大丈夫。東京のお客さんにもインパクトがあるんじゃないかな」。依頼を受けた新宿高野に40個を出荷した。

 白いリンゴは昨年、同町の県立名久井農業高校3年の女子生徒5人が開発した。リンゴは袋をかけて日光にあてずに育てると白くなる。農家には「白いと甘くない」という先入観があったが、通常なら摘んでしまう実の周囲の葉を残すなどの工夫をすると、白いうえに甘くて歯ごたえもよいリンゴができた。

 各地のビジネスコンテストで賞を獲得したことなどから新宿高野も注目。泉山さんにリンゴ作りを打診し、泉山さんが生徒らの指導を受けた。

 新宿高野は今回は展示だけだが、来年は販売も検討する。広報担当者は「白いリンゴはクリスマス、紅白の組み合わせはお正月の贈り物に」。白いリンゴを開発した一人の梅田愛(めぐみ)さん(18)は「特産のリンゴで地域を盛り上げたいという思いがあったのでうれしい」と話している。(鈴木友里子)

 リンゴの産地、青森県の農業高校の女子高生5人の作った「白いリンゴ」が注目されている。「白いままでは甘くない」という農家の先入観を打ち破り、甘さもたっぷり。収穫後の変色の問題も解決し、大学や国主催のビジネスコンテストの高校部門でトップ賞を受賞した。5人は今春卒業だが、高校の後輩が研究を引き継ぎ、商品化を目指す。

 京都大が昨年11月に開いた「テクノ愛’09 発明&事業化プランコンテスト」。約300点の応募があった高校の部で、白と他の色のリンゴを組み合わせた贈り物「メッセージ・アップル」がグランプリに輝いた。手がけたのは、リーダーの梅田愛さん(18)ら青森県立名久井農業高校(南部町)3年の生活科学科4人と生物生産科の1人だ。

 白と赤のリンゴは「卒業祝い」、フレッシュなイメージのある入学や就職祝いは白と青リンゴの詰め合わせ、といった具合だ。審査委員長の松重和美・京都大大学院工学研究科教授(電子工学)は「白いリンゴの技術面と、色を使って気持ちを伝えるというアイデアに事業化の可能性が十分ある」と評価する。

 「メッセージ・アップル」は今年2月、経済産業省東北経済産業局主催の「地域の魅力発信アイデアコンテスト」でも高校部門50点から大賞になった。

 5人が白いリンゴに取り組み始めたのは昨春。授業の自由研究のテーマ選びで、メンバーの1人、佐々木愛美さん(18)が、テレビで見た白いイチゴを話題にしたことがきっかけだった。

 リンゴの実は太陽光の紫外線を受けて赤くなる。実に袋をかぶせて白いままにし、大きくしてから葉を摘んで太陽光を当てて赤色を出す製法もあるが、リンゴ農家や高校の関係者らには「白いと甘さが落ちる」との考えがあった。

 5人も白くすることだけを考えて味には期待していなかった。しかし、袋をかけたまま葉を摘まなかったところ、驚くほどの甘さに。白いリンゴには収穫後、赤や黄に変色する欠点があるものの、新聞紙に包み、さらに真空パックにすることで約2カ月間、白いままで保存できた。地元農家からは「作り方を教えてほしい」という問い合わせも相次いでいるという。

 5人は卒業後、リンゴ栽培と関係ない道に進む。メンバーの佐藤絵梨香さん(18)は「反応や反響が大きくてびっくり。でも、全国に白いリンゴが特別な贈り物として広まって食べてもらえたらうれしい」と、商品化を後輩に託す。(鈴木友里子)
【参照先不明】

 

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