津軽で無肥料・無農薬リンゴを栽培する木村さんの話を(Ⅱ)

 

— 奇跡のりんご —

津軽で無肥料・無農薬リンゴを栽培している木村さんの話がマスコミで取り上げられ大きな反響をよんでいますが、私の感想を書いてみます。前回の続きです。

2、果樹園の無農薬栽培は難しいでしょう。

果樹栽培は庭での家庭果樹の栽培で、柑橘、柿、ウメ、スモモ、イチジク、モモ、ブドウ等については無農薬栽培を続けてきていますが、本格的な果樹園栽培については経験のない素人ですので、コメント出来る立場ににないのですが、感想だけを書かせて頂きます。

果樹を無農薬で栽培出来るかどうかは、果樹園の立地に大きく影響されると思います。周辺がリンゴ園に囲まれていて、リンゴ樹の密度が非常に高い地域であれば無農薬での栽培は不可能と思います。

逆に、周辺が雑木林に囲まれていて、リンゴ園の規模も小規模であるとか、果樹園がリンゴ樹だけでなく、他の樹種、例えばクルミ、スモモ、ウメ、ギンナン、ブドウ、クリ等と混植されている果樹園であるならば、可能性も少しは開けて来るかと思いますが・・・。

無農薬栽培を可能にするためには天敵に頼ることしかないでしょう。
フラン病、アカホシ病、モンパ病等の植物病菌に対しては園内の微生物の棲息密度を最大限に高めることで、無肥料栽培に努め、園内の下草の栽培管理と様々な微生物を呼び込む米ヌカの表面散布で道は開けてくると思います。

害虫に対する天敵は、多種の寄生蜂が主体になるはずでが、カエルやスズメも大きな味方になってくれると思います。

寄生蜂を増やすには、蜂を殺す殺虫剤の散布は中止して、蝶と蛾(鱗翅目)だけを殺し他の昆虫には害がないとされる日本農薬の「フェニックス」を中心にして散布計画を立てれば、寄生蜂はかなり増えてくれると思います。リンゴの肌を傷つける蜂もいるのでしょうか。その場合はこうした作戦は立てられないかも知れませんが。他にはカミキリの防除剤も不可欠と思います。

カエルとスズメを味方にする作戦は予想外に有効です。30年程前に米国がアルゼンチンから大量のヒキガエルを輸入しているとの記事を雑誌で見つけ、カエルを何に使うのかと調べたところ穀倉地帯の害虫駆除にカエルを放していることを突き止めました。カエルは毎日胃袋一杯分の害虫を食べ続ける必要があるとのことでした。

そこで、我が家の畑もカエルを味方にして無農薬栽培に取り組んでいますが、2年ほどまえから自宅の庭にもカエルのための池を造り、カエルが庭で棲息出来るように努めています。
果樹園にカエルを棲息させるためには、カエルの産卵場所になる小さな池を一箇所だけ造ってやり、卵から導入してやれば増えてくれるはずです。スズメについてはクズ米を定期的に園内に散布してやれば住み着いてくれると思います。カエルもスズメも想像以上に多くの害虫を食べてくれます。

山の近くに立地する、我が家の家庭果樹は寄生蜂とカエルとスズメのお陰で全くの無農薬ですが問題なく栽培出来ていますので、大型果樹園でも大きな味方になってくれると思います。
【参照先不明】