タラの芽

 

1.jpg 先日,里山を散歩していたらタラの木があちこちに生えていた。かつてはどこにでも見られたのだが,その芽が美味しいためどんどん濫獲されてしまった。

以前,私の実家の畑の脇の荒地のようなところに何本もタラの木を栽培していたことがある。当時は,裏山に行けばいくらでもタラの木があった。枝を折ってきて挿木にしておけばすぐに根が付く。強い植物だ。

その芽はとても美味しい。摘んできたばかりの芽のテンプラはご馳走の一つと言って良い。ただし,タラ木のは瓦礫だらけの荒地のような場所のほうが生育に向いているようで,畑やハウスなどで栽培されたものはあまり美味しくない。

ところが,どこの誰だかわからないが,他人の畑の一部であることが明白なのに,春になって芽が出るとどんどん折って持っていってしまう。つまり,我が家では栽培だけしてその恩恵には与れないという非条理が発生してしまったわけだ。

野草を愛することは良いことだ。山菜採りも楽しい。しかし,他人の畑を荒らす行為は単なる窃盗行為なので,起訴され有罪となれば懲役刑に服することになる(日本国の刑法に定める窃盗罪には懲役刑だけが法定刑として定められており,罰金刑を選択する余地がない。)。

枚春毎に,野山を歩く人々のマナーが低下し,怒り心頭の季節でもあった。

おそらく現代でもそうであろう。

ある自然観察林に寄ったら,「観察用ですから折らないでください」という趣旨の看板が立っていた。当然のことだろうと思うのだが,このような看板を立てないといけないくらい常識のない人間がたくさんいるということなのだろう。しかも,その大半は大人に違いない。そして,親の行動を見て育つ子供も親のコピーのような行動様式をもつ人間に育っていくことになるのだが・・・
【参照先不明】

 

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