サルナシ栽培

出典:山菜、きのこ直売所 ちいくろ

さるなし(サルナシ)栽培、サルナシの育て方

 丸型サルナシの実
サルナシを採取していると2種類の実があることがわかりました。普通には丸い実です。約95%以上のサルナシの実が この丸型です。「サルナシ」としてホームセンターなどで販売されているのもこの丸い実です。なぜかホームセンターの 栽培品種は実が小さいようです。野生のサルナシも大きいものも小さいものもあります。また実のつける具合も大きく違い ほんの少しだけのもの、沢山つけるものと分かれます。気候や栄養などの環境条件などによるものではなくその木のもつ 遺伝子だろうと考えます。このような優秀な木を選抜して苗木を増やします。


 俵型サルナシの実  見たことありますか?
俵型サルナシはとっても珍しく普通には、おめにかかることはありませんん。サルナシの実の形ぐらいでどうのこうって・・・ この形を見つけたときには研究者になったような心地でした。・・ついに見つけたと・・でもある地域に行くとこの形は 珍しくもなんでもなく普通に見れるってことはよくあることですのでどこかには普通にあるものかも知れません。 でも珍しいので大事に採取して増やすことにしました。この種類を文献では「出羽マタタビ」や「ミヤママタタビ」と書いてあるような気がしましたが サルナシはマタタビの親戚ですから・・そうなのかなあ~

 サルナシの花   オスにも花が咲きます
ある年のこと「サルナシの花」が一面に咲いたことがありました。山の中はサルナシの白い花で一杯になったのです。不思議なことですが・・・ サルナシは採取が困難な木の実ですから「やったあ~」・・「みつけた~」・・と大喜びしました。そして初夏の頃サルナシの実の状況を 観察しに行きました。「あれれれ・・どこにも・・」確かこのサルナシの木に花が咲いていたと思ったのになあんにも見当たりません。・・ 「えっ!」あんなに咲いてたサルナシの木には何事もなかったかのようにしています。・・数箇所見ましたが同様に何も見当たらないのです。 その後オスの花が咲くことがわかりました。でも今でもオスの花とメスの花の区別がわかりません。またサルナシはオスメス両方の木が必要と ありますがオスメス両性のが木あって、実のなる木はほとんどが両性なんですけど・・?

 サルナシの苗木
野生の良質品種を選抜して山野草の先生に教わりながらサルナシを挿し木しました。その年は30%ぐらいの発根率でした。次の年も 同じ方法でやりましたが今度は20%に下がりました。更に翌年夏の日照りから守るために寒冷紗でおおった苗木栽培所をつくり同じ方法で 地面に直接挿す方法でやりました。すると冬の凍結のために土が盛り上がり折角の苗木がだめになってしまいました。でもそのときの 発根率もやっぱり20%ぐらいでした。秋にキノコ狩体験に来た方のお母さんがサルナシ栽培をしていると聞き岩手県まで見学しに行く予定を立てましたが つい行きそびれて春を迎えたのです。ことしも穂木の挿す時期がきていました。・・・どうしたらよいのだろうか・・??

 サルナシの発育は旺盛・・緑のカーテンにいかがでしょう
4年前に発根したサルナシを数箇所に植えました。3年目で花が咲き実をつけました。驚いたのはサルナシの発育の旺盛なことです。 木はどんどん伸びていきあっちこっちの支柱や他の木、自分の体などあらゆるものを成長の糧にして伸びていきます。葉も緑がきれいなことから 「緑のカーテン」にはふさわしい木です。見た目にも涼しげで秋には実を収穫できる木です。ただ伸びすぎて狭い敷地の家庭では 邪魔者にならないかと危惧しています。

 サルナシの実 10月  エグさがネック?
サルナシ酒にするために一部を採取して残しておいたサルナシの実が寂しそうです。この時期になるとサルナシは完熟して自然落下してしまいます。 完熟した実はそのまま食べられますが天然サルナシ特有のものなのでしょうか食べたあと「エグ」さが気になるのです。 ジャムにしてもこの「エグ」さが残っていまいち美味しくないのです。ドライフルーツにしてもこの「エグ」さがとれないのです。 野生の味と割り切ればいいのですがこの「エグ」さが販売拡大のネックとなっているのではと思っています。

・・・サルナシ穂木の長さがポイント・・
4年もの間挿し木をつづけて、芽の出したものを地植えにして実のなるのを待っていました。3年目から花が咲き少し実をつけ 4年目には多くの実をつけました。また一本の木でも実をつけることから実をつける木は両性種であることが確認できました。 これで安心して優良品種を採取して増やすことができます。これまでの期間も挿し木を続けてきましたが発根率が20~30%と 思わしくなく対策をやってきましたがやっとわかりました。穂木の長さをこれまでには10~15cmにしていたんです。 ある文献で長いほうが良いとありましたのでその方法を取り入れました。