肥料を入れずに育てる野菜の凄さ

出典:糸満フルーツ園

無肥料栽培で見えてきたもの!
  • 作物の本来の大きさがわかる.
  • 虫食いが減り,農薬が要らなくなる.
  • 病気にも強くなる!


無肥料で野菜を栽培するための重要なキーワードは「循環」です.
自然界のもつ循環という仕組みをうまく利用することで,無肥料栽培によって作物ができると言います.

作物の本来の大きさがわかる

野菜には本来の大きさがあると言います.
つまり,大きければ良いというのは,消費者の勝手な認識で,野菜側からすると,実は色々とリスクを背負っているのかもしれないです.

肥料といものは即効性があり,野菜がすぐ大きくなりますが,しかしそれは細胞数を増やしているわけではなく,一つ一つの細胞の肥大化に伴うものであることが多いのです.細胞が肥大化すると,もちろん細胞壁が薄くなり,外部から異物などが入りやすくなります.
そうなると,植物は弱くなり,病気にもかかりやすくなってしまいます.

虫食いが減り,農薬が要らなくなる

肥料を与えず,自然環境で栽培すると,適切な量の窒素を吸収するのですが,肥料を与えてしまうと,体内に過剰に硝酸態窒素が残ってしまうのですね.

そこから分かったのが,どうやら虫は硝酸態窒素をめがけて飛んでくるようです.

本来,植物が育つためには,土の中に,生き物や植物などの有機物が必要です.
土の中の土壌動物や微生物などの多くの生き物が関わり,根っこなどの有機物を分解しながら,植物が成長するために必要な栄養を作り出すことができます.

しかし,現在の農業では,こういった生き物たちや植物の根っこを排除し,かつ耕すという行為で土壌動物などを追い出し,農薬などによって虫を死滅させてしまっているので,土の中で必要な養分を作り出すことができなくなっていると言います.そのため,野菜を育てるためには,わざわざ肥料を与えるという行為が必要になり,肥料が切れたところでは野菜が育たなくなります.

病気にも強くなる

自然界の循環がうまくいっている土で育った野菜は,かなり病気に強いと言います.
これは,植物自身が体内で保有する内生菌(ないせいきん)である微生物「エンドファイト」がうまく機能しているからだと言います.

山や森の中で育つ植物はいつも立派です.
肥料や農薬を使わずとも,うどんこ病や青枯病にならず,生き生きとしてる理由は,このエンドファイトが機能しているからだと言います.