野生化したキダチアロエ

出典:EVERGREEN

 

キダチアロエ(木立蘆薈)

そんな数あるアロエのうち今回は、キダチアロエ(学名:アロエ・アルボレスケンス)に注目します。キダチアロエは「昔の家庭には、だいたい一株はあった!」と筆者が勝手に思っている「苦いアロエ」です。今回記事を書くにあたり、あらためてその味を確認しました。葉の断面をぺろっとなめただけですが、強烈に苦かったです(涙)。
単にアロエというと、(種名は知らなくても)この種を連想する方が多いと思います。トゲトゲのある肉厚の細長い葉っぱを四方八方に伸ばしながら生長していきます。日本には明治の初年に入ってきたとされます。

民間薬としても有名で「医者いらず」などとも呼ばれます。筆者も子どもの頃、指先をやけどした際ポキッと折ったアロエの葉を渡され、やけどした箇所に汁を塗るように言われたことを思い出します。

誰かが植えたあと放置されたのか、道端で半ば野生化したように茂っている株を見ることがあります。高さはありませんが、枝数を増やして茂っているものが多いです。
本来は高さ2メートルに達する大型の植物で、枝分かれしてわさわさと茂ります。南伊豆を旅行したとき、それくらいに生長したアロエが盛大に茂った畑(?)をバスの車窓からながめた記憶があります。

私の住む京都では南伊豆で見たような巨大なものは見たことはありません。冬に霜などにやられて茎葉が枯れ、「春に株元から芽吹いて復活する」というようなことを毎年繰り返しているのでしょうか。
もともと生育旺盛で丈夫な植物なので、軒下や壁際など霜や寒風の避けられる場所や、霜の降りない暖地なら繁茂したアロエに半ば占領された住居、なんてものが案外あるのかもしれませんね。

アフリカ原産の多肉植物で栽培品が逸出している。
長崎でも野生化したものを度々見かけていたが、全て海岸に生えていた。
この手のCAM植物はよっぽど海が好きなようだ。
子供のころ、自宅の庭でアロエを栽培していて、ケガをしたとき葉で傷口を手当してもらった事を思い出した。
キダチアロエエキスは、人の皮膚線維芽細胞のヒアルロン酸合成を促進する効果が高いという論文が見られる。
その他にも、細胞賦活効果、抗炎症効果、角膜上皮形成促進作用なども報告されているとの事なので、怪我の手当に用いるのは合理性がある。