山椒は日本原産のハーブ

 
出典:Woody

花椒・山椒・花山椒

サンショウ(山椒)は、日本を代表するハーブの木であり、爽やかな香りの”葉”や”実”が有名です。

日本原産で、北海道から沖縄まで全国に分布しています。

 このサンショウの葉や実を使った料理としては、”タケノコの木の芽和え” や ”うなぎの蒲焼き” などが挙げられ、柑橘系の風味を活かした和食は実に多いです。

 また日本では、古くから使われてきた香辛料で、縄文時代には既に料理に利用されていました。

「魏志倭人伝」にも登場するほど、このようにサンショウは古くから日本人に親しまれています。

雄の木と雌の木の違いとは!?

サンショウは雌雄異株でオスの木とメスの木があります。

 サンショウの実をつけるのは”メスの木”だけです。

 ”オスの木”の葉は香りが高く、若葉を茶碗蒸しや煮物の上に香り付けとして添えられていることが多いです。

 また柑橘系の強い香りがする葉は、アゲハ蝶の幼虫が好んで食しています。

 雄花は「花山椒」として食用にされ、雌花は”若い実”や”完熟した実”が利用されています。

サンショウの木は、乾燥や夏季の日差しに弱く、半日陰の湿潤な土地を好みます。

 そのため、サンショウの木は栽培が難しいことで有名です。

 樹高は3mほどで、枝には鋭いトゲが2本ずつ対に生えているのが特徴です。

 トゲのないサンショウとしては、兵庫・養父市の「朝倉山椒」が有名です。

なぜ実の色が派手なのか!?

サンショウは、若葉に続いてクリーム色の花を咲かせます。

 そして秋になると、緑色の果実が熟成され赤い実をつけます。

 果皮が赤く熟すと、自然に二つに裂け、黒いツヤツヤした種子が出てきます。

 この派手な”赤”と”黒”の色のコーデで、鳥に種子を運んでもらうためにアピールをしています。

 サンショウの実は食べると「ピリっと辛い」と表現されます。

 この「ピリっと辛い」と感じるのは、「サンショオール」という成分が含まれているためです。

 サンショオールは、麻痺効果のある毒性成分で、食べ過ぎには注意が必要です。

 舌の痺れを引き起こす辛味成分であり、大脳を刺激し、内臓器官の働きを活発にさせ、消化促進を促すとされています。

 また、サンショウは健胃薬や腹痛治療の処方用薬や製剤原料として認可されています。

サンショウは薬味や飾りとして、余すことなくすべて用いられています。

 七味唐辛子に用いられ、唐辛子、麻の実、黒ごま、けしの実、青海苔、生姜と相性が良いです。

山椒(さんしょう)の魅力

葉 (木の芽):日本料理の彩り、吸い物、和え物など
花 (花山椒):日本料理の彩り、佃煮、当座煮など
実 (実山椒・青山椒):佃煮、ちりめん山椒など
果皮(粉山椒):うなぎの蒲焼、焼き鳥に。七味唐辛子の材料
 花椒と比較すると辛みはあるがマイルドで、より柑橘系の爽やかな香りが特徴です。

サンショウの実の収穫量は和歌山県が国内生産量の約80%を占めているとされています。

 和歌山県の有田川町、紀美野町の特産品として栽培されている「ぶどう山椒」は果実が大型で、ぶどうの房のように数多く実ることが名前の由来です。