八戸市の伝統野菜「糠塚きゅうり」

出典:青森のうまいものたち

 

 糠塚きゅうりは、八戸市糠塚地区で江戸時代から作られている伝統野菜です。太さは、大きいもので一般的なきゅうりの3倍に当たる直径7cm、重さは約500グラムにもなります。皮はやや固く、表面色は白っぽく脱色した素朴な色合いで、伝統野菜ならではの風格があります。1株あたりの収穫量は、一般的に流通している白いぼ系きゅうりが100本であるのに対して10本程度と少なく、6月下旬から収穫がはじまり7月に最盛期を迎え、8月中旬頃まで収穫されることから、八戸市の夏の風物詩となっています。昔懐かしいパリパリした食感や、ほのかな苦みが一般的なきゅうりとの違いです。

歴史と現状

 糠塚きゅうりは、藩政時代に参勤交代の途中で種子を持ち帰り、当時野菜の供給を担っていた糠塚村(八戸市糠塚地区)に植えたことが始まりと言われています。
 昭和30年代頃まで、八戸市できゅうりといえば糠塚きゅうりを指すほど身近な野菜で、中心市街地に近い糠塚地区を中心に栽培されていましたが、料理に使いやすい白いぼ系きゅうりの登場や、収穫翌日には薄緑色の皮が黄変し、見栄えが悪くなるといった理由から販売業者が敬遠し、生産者が減少したとのことです。また、ほかの品種のきゅうりの近くに植えると自然交配してしまうことから、種子そのものが無くなりかけていました。

平成26年2月に市内の生産者による「八戸伝統野菜糠塚きゅうり生産伝承会」が設立されました。

糠塚きゅうりを使った料理レシピ

— 味噌を付けて —
種をくり抜いた部分に味噌を付けて食べます。味噌はお好みのもので。
糠塚きゅうりの味と食感が一番生かされた食べ方です。

— 和え物 —
 薄切りにしてから塩で軽くもみ、軽く絞ってから胡麻油少々と好みの量のちりめんじゃこを加え、和え物に。
 ちりめんじゃこ以外にも、鶏のささみやワカメなどを加えても美味しく頂けます。

 — 炒め物 —

 5mmくらいの厚さに切り、他の野菜や肉などと一緒に炒めて。
 写真は、新玉ねぎ・スナップエンドウ・豚肉と炒め、軽く塩・胡椒で味付けしたものです。

ほのかな苦みとパリパリした食感が夏にぴったりなレシピです。
糠塚きゅうりが手に入ったら、ぜひ