カヤの実、初体験

 

 恥ずかしながらカヤノキなんて木があるのをごく最近まで知りませんでした。
カヤっていうと茅の方ばかり連想します。茅葺きの屋根の茅、チガヤなどの総称カヤ。
もちろんこちらの茅は草。カヤノキの方は樹木。

なぜ、カヤノキの話かっていうと、オットが会社でカヤの実を拾ってきたからです。
そういう樹木があることも、そういう実がなることも、そしてその実が実は食べられるなんてことも、まあああったく知りませんでした。
学が浅いと嘆くか、いくつになっても新しいことを知ることができて新鮮だわぁと喜ぶか。

で、カヤの実なんですが、緑色の卵型のが地面に落ちてくるのだそうです。
無傷なのもあれば、縦に亀裂が入っているのもあります。長径が3cm強くらいでしょうか。表面には縦に薄く縞模様が入っています。
そして、この緑の球がなんともいえず良い香りがするんです。
ウッディ調の香りっていうんでしょうか、オットがそういえばこの香りは男性用ヘアートニックの香りに似てると言い出しましたが、そんな方向の香りです。あんまり嗅ぎすぎるとくらくらきそうですが、爽やかで凛とした感じの香りです。

この緑の球の果肉はやわらかく、指と爪を使ってすぐにはがすことができます。
中から出てくるのは、アーモンドのような種子。
この種子(の中)が実は食べられるのです。

但し、食べられるようにするにはちょっとばっかし手間がいります。
まずアクがあるのでアク抜きします。
ネットで調べると草木灰などと一緒に水に漬けて一週間アク抜きするそうですが、草木灰が無かったので重曹を使ってみました。
重曹の濃度については情報が無かったのですが、蕨のアク抜きの濃度を踏襲しました。水1リットルに対し小さじ1というデータがあったので、水200ccに対し、小さじ1/5ほどを混ぜて、よく洗った種子を漬け込んでおきます。

この時期けっこう暖かく、種子の表面についた微妙な果肉の残りなどがおそらく発酵するのだと思いますが、あぶくが出てきます。アクと発酵で水が濁ってきますから、2~3日に一回くらいは瓶を洗って重曹水を新しくします。種子も洗いなおします。

そうして一週間経ったら重曹水から引き上げて、フライパンで煎ります。
どのくらい煎ればいいのかもよく分かりませんでしたが、一部の種子に亀裂が入ったところで試しに食べてみたらまだ生っぽい。目安としては、殆どの種子に亀裂が入り、種子の表面が熱で黒っぽくなってくるまで、でしょうか。
食べる時には、種子の殻を剥いて、中の白い胚乳の部分を食べます。
ナッツの香ばしさ、木の実の持つ油のコクが確かに感じられます。
殻がすぐぼろぼろと崩れてむきにくいのが難点。

今回食べたカヤの実はものすごく美味というものではないけれど、ネット検索で見るとカヤの実=非常に美味しいという記述が散見されます。ひょっとして樹木の個体差、豊作不作の年などもあるのかもしれません。
薬効としては寄生虫駆除の効果があるのだとか。

カヤの実の果肉の香りも捨てがたく、しばらく果肉をウォッカに漬けておいて香りをうつしてみました。
これを何かに染ませて、トイレにでも置いてみようかしらん。

2008年09月27日

【参照先不明】

 

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