竹の有効利用

出典:香川県

 

竹類の利用用途
生活用品 カゴ類、ざる類、扇子、うちわ、食器、照明器具、ほうき、額縁、梯子、椅子、物干し竿、和傘、洋傘(地下茎)、箸、串、櫛、提灯、物差し、行李、屏風、ついたて、すだれ
伝統工芸品 茶道具類、竹刀、弓矢、尺八、笙、ひちりき、笛、生け花容器、人形、玩具、家具の外装
建築用品 土壁の壁下地(竹小舞)、壁、天上内装用、垣根、床柱
農機具類 各種支柱、ビニールハウスの柱、海苔竹、漁礁、足場
特殊加工品 竹炭、竹酢液)、竹チップ加工品、和紙
雑道具類 バレン、毛筆、釣り竿
その他 生垣、防災用資材

 

竹材・タケノコの生産

 我が国の竹材及びタケノコの生産量については、1980年代の生産量に比較して2000年には竹材が約25%、タケノコが約20%といずれも20年間に約1/4~1/5程度に激減しました。
 このような状況は、代替資材の普及や在来工法住宅の減少あるいは近年の農林業の低迷に伴い、過疎化に伴う労働力不足、担い手の高齢化が進む中、安価な中国産の製品が多く輸入され、価格の下落とともに生産意欲の低下によることが大きいと考えられます。

竹炭・竹酢液の生産
竹炭
  • 燃料用竹炭
    木炭と比べて厚さは薄く、堅く焼き上げた竹炭でも火付きは容易ですが、火持ちはよくありません。しかし、発熱量は大きいので、バーベキュー用のような速熱性が必要な場合に適しています。火持ちをよくするためには他の炭と混ぜると効果的です。
  • 新しい用途の竹炭
    燃料以外の木炭の用途、特に最近注目されている土壌改良剤、調湿、脱臭、入浴、調味などの新用途に竹炭を使うことが最も適していると判断されます。
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竹酢液

 製炭の際の副産物として得られる竹酢液は多種類の成分の混合物であるがゆえに害虫忌避、殺虫、殺菌作用などの多様な生物活性を有していると言われていますが、中でも特徴があるのが殺菌作用です。
 モウソウチクによる竹炭・竹酢液を生産しており、県内は勿論、県外へも出荷している。
炭焼の原料は、窯周辺の竹林の伐採などである。
竹炭の用途は、床下調湿用、料理用のほか土壌改良剤など、竹酢液は入浴剤や洗剤などに利用されています。

竹材利用の新たな取り組み
  • 1)竹繊維
    現在、竹から取り出した糸状のものを中国からも輸入していますが、これは竹を溶かし、成分のセルロースを取り出し、レーヨン糸(人工ウール)として加工していることから、特に竹でなくても、木質系なら生産可能です。
  • 2)竹フローリング
    竹を横積層に加工し、フローリングとして利用するもので、肌触りが良く、既に実用化されています。
  • 3)竹パルプ
    竹パルプは、繊維の長さが針葉樹と広葉樹の中間のパルプ特性を有し、吸湿性、吸油性に優れています。現在、竹パルプを配合し、はし袋、紙コップや封筒など等に利用されています。
  • 4)植繊材
    竹をはじめ未利用木質資源を一次破砕によりチップ化し、さらに植繊機で破砕した植繊材を製造します。この植繊材は農業資材としてのマルチング材、堆肥或は畜舎(養豚)での敷材などとして利用が可能です。
  • 5)地球温暖化防止のためのバイオマスエネルギー
    バイオマスとは、新エネルギー法施行令で、「動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用できるもの」と定義されており、竹材はこれに該当します。
    バイオマスとしての竹の利用は、量的に少なく、販路も不確実であることから、今後の販路の拡大、振興が必要です。