誰も採らない山菜-リョウブ

出典:ごはんの味方

 

 美味しいのに誰も見向きもしない山菜があります。
山菜採りの愛好家達が狙うのが、ウドやコシアブラ、タラの芽などの超人気種族に偏りすぎて、山が猛スピードで荒廃し続けるのを見かね、もっとほかの種類に目を向けてほしいと願いシリーズを始めました。

今回お勧めするのは「リョウブ」です。

本来は飢饉に備える救荒食という大事な目的がありました。

リョウブは昔、大量に収穫して保存しておきなさいという「令法」(りょうほう・法律のような命令)で定められていたといういわれがあります。

新芽を収穫して蒸して乾燥保存したといいます。
そして現代では無縁となりましたが、この国では大昔からしばしば訪れた大飢饉に備えたのです。

収穫はとても簡単、山の道路沿いに枝を伸ばしているからすぐに見つけられ、だれでも簡単に同定できます。

”サルスベリ”とも呼ばれることもあると言う通り、茶色い樹肌はつるりとしていて枝の先端に柔らかい新芽が手を広げたように手招きしています。

間引くように収穫して持ち帰ったら、天ぷら、おひたし、和え物などに、特にアクなどなし。
お勧めは「菜飯」(なめし)

葉を刻んで塩もみし、炊き立てご飯に混ぜ込むだけ。
「リョウブ飯」とも言います。
昔ながらの「糧飯」(かてめし)をこの時期一度は味わって、いにしえの暮らしを偲ぶのはいかがでしょうか。