野沢菜漬け

 

— 長野県のお漬物の歴史 —

 漬物の歴史は古く、今から1300年位前、東大寺正倉院の古文書「雑物納屋」に塩漬のことが記載されています。
 長野県のお漬物業は、明治の中頃、わさび漬や味噌漬を中心に商売として始められたと言われています。長野県は、面積が標準県の2倍以上あるという環境風土の中で、全国屈指の漬物産地として、野沢菜を中心に信州小梅、わさび漬、山ごぼう、信州味噌漬等、数多くの特産品を有し、漬物出荷額は和歌山に次いで第2位の漬物王国を築いています。
 長野県の代表的な野沢菜は、宝暦6年(1756年)野沢温泉村にある健命寺の住職が、京都遊学の帰途に持ち帰ったのが始まりといわれています。その後、漬物製造業者と県の試験研究機関の努力により、現在では年間5万トンが全国へ出荷されています。
 これら漬物が美味しくなる季節に先立ち、技と品質を競い合う長野県園芸特産漬物品評会が11月に開催されています。

— 野沢菜漬けの出来るまで —

 長野県といえば、全国でも代表的な野沢菜。「信濃では雪とコタツとお葉漬」といわれるように、より寒く水温が低くなるほど、やわらかで美味しくなります。ふるさとの味、おふくろの味の代表格であり、風味良好な乳酸菌により低塩でフレッシュな感覚で食べることが出来るお漬物です。

 野沢菜は、野沢温泉村の健命寺のご住職が、宝暦6年(1756年)に京都遊学の帰途、天王寺カブを持ち帰ったのが始まりと言われています。信州では、なぜかカブは育たず、葉と茎のみが良く生育し、これが利用されるようになりました。
長野県、特に飯山・野沢温泉周辺は千曲川沿いの霧が深く、野沢菜が旨いと言われ、スキー客や湯治客の口コミで次第に広がっていったそうです。

 野沢菜漬には、浅漬と古漬があります。浅漬は、収穫から2~3日で漬込み出荷されたもので、スーパーなどで販売されている野沢菜漬の多くはこの浅漬です。一方、古漬は、収穫した野沢菜を塩漬して乳酸発酵を促進させ、べっ甲色になるまで漬け込んだもので、多少酸味があります。最近は、この古漬に含まれる植物性乳酸菌が着目され、機能性の研究が行われています。

信州野沢菜は、100%契約栽培で肥培管理を行っています。

— 野沢菜漬けの美味しい漬け方と食べ方 —
  1. 野沢菜の株を切り、よく水洗いした後、重量の3~3.5%の塩を使って漬け込みます。
  2. 塩以外にも、お好みにより、唐辛子・昆布・煮干し・柿の皮・酒等を入れます。
  3. 中蓋をして重石をのせます。水が上がったら、重石を軽くして固くなるのを防ぎます。
  4. 2~3週間後から、浸かり具合を見て野沢菜を桶から出し、通常は洗わずに(洗ってもよい)漬け汁を絞って、食べやすいように切って食べます。
  5. 野沢菜は、少し酸っぱくなった頃(適度な乳酸発酵)が食べごろです。
  6. よく漬かってきたら、できるだけ小分けにして冷蔵庫に入れておきましょう。凍らない程度に保つのが理想です。

出典:長野県漬物協同組合