やまどりぜんまい (山鳥薇)

 ヤマドリゼンマイ(山鳥薇)は、山野に自生するゼンマイ科ゼンマイ属の夏緑性の多年生シダ類です。外側の緑色の葉は栄養葉、内側の茶褐色の葉は胞子葉と呼ばれます。一回羽状複葉で、全体に卵状披針形をしており先端が徐々に細まります。羽片は円筒形をしており全縁で無柄です。
 ヤマドリが住むような所に生育していることからヤマドリゼンマイとつけられたそう。
 尾瀬ヶ原ではおなじみのシダ植物で水はけのよい斜面に多く生育しています。ただ、湿原だけでなく山地の開けた尾根伝いにも生育していることから、ある程度乾燥に強いシダ植物なのでしょう。写真は尾瀬のものではなく、あえて自宅近所の草原に生育しているヤマドリゼンマイを掲載しておきました。
 尾瀬が現在のように保護の対象になる以前は、食用として片品村の人も採りに来ていたそう。最近はゼンマイの収量が減ったためか、店に並ぶものの多くがこのヤマドリゼンマイだそうですよ。

 下の写真は出始めのヤマドリゼンマイで毛がフサフサ。こういうのを見るとつい触りたくなってしまいますね~。尾瀬だと雪解け後に出てきますが、まだ寒い時期のため霜が降りるとそこら中でクタッと倒れた姿を見かけます。ちょっと気の毒に感じますが、土の中にいて霜にやられなかった栄養葉が必ずあり、葉の数は少ないもののしっかり生育し枯れることはありません。このように生命力が強いことから最近は尾瀬ヶ原に増殖しており、ヤチヤナギ同様、湿原の乾燥化のバロメーター的存在となっています。
【参照先不明】

 

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