ガマの穂を食べてみる

出典:野食ハンマープライス

ヒメガマ。
名前の通り小さな穂をつけるガマの仲間です。
上についている猫のしっぽのようなものが雄花の穂、下にあるのが雌花の穂ですね。
 
 
上が雄花、下が雌花

このヒメガマの穂については、実は事前に「未熟な若いものであれば、焼くと食べられる」という情報

ガマの穂で食えるのは「花粉」

ガマ(これはヒメガマだけど)の花粉といえば、因幡の白うさぎの物語に登場することで有名ですよね。
騙したワニ(サメ)に皮をひん剥かれたうさぎが苦しんでいると、通りがかったオホナムヂが「蒲の穂にくるまって休みなさい」と。
実はガマの花粉には止血消炎作用があるそうで、古くから民間薬として用いられてきたようです。
その一方、アメリカ大陸ではネイティブアメリカンがこの花粉を食材として用いてきたという歴史が残っています。
花粉を集め、バノックというパン様の焼き物に練り込んだりしたそう。

数本の穂から予想以上にたくさんのガマの花粉が集められたので、試しに食べてみることにしました。
 
まず篩(ふるい)にかけて綿毛を除去し、 
 
強力粉、重曹、塩を混ぜ、更にサラダオイルと水を混ぜてよく練ります。

できました、ガマ花粉入りバノック。予想以上に黄色く仕上がりましたね。
いただきま~す

うんまっ!!! えっ、花粉ってこんな美味しいん!?
実はもう、焼き上がってオーブンを明けたときから香ばしい「焼きとうもろこしのような香り」がブワッと漂ってきていました。
食感は柔らかめのビスケットですが、香りは焼きとうもろこしで、味には不思議なコクと甘みがあります。驚く美味さ。

調べると、ガマの花粉には脂肪分が多く含まれるそうで、これが味にコクを与えているのではないかと思います。
これは素晴らしいシーズニング、ネイティブアメリカンがわざわざ集めてパンに練り込んだ理由がわかりますね。

味:★★★★☆ 
入手難易度:★☆☆☆☆