今日の作業


ナツハゼの実生繁殖法
要旨
 ナツハゼ(ツツジ科)は有用な自生枝物であり栽培が望まれている。しかし、増殖においては挿し木が困難であるため、実生繁殖が試行されている。これまでに、種子を採種後すぐには種し、温度を23℃に保つと、半年以内に70%程度発芽させることが可能であることがわかっている。そこで、は種用土及び種子消毒等の処理の違いと発芽率の関係を検討した結果は以下のとおりである。
(1)  鹿沼土とバーミキュライトを等量混合したものをは種用土に用いた場合、種子選別及び種子消毒の有無にかかわらず、は種1ヵ月後には概ね50%発芽し、は種6ヵ月後には概ね70%が発芽した。
(2)  鹿沼土と調整ピートモスを等量混合したものをは種用土に用いた場合も、種子選別及び種子消毒の有無にかかわらず、は種1ヵ月後には概ね50%発芽し、は種6ヵ月後には60%以上が発芽した。
 以上のことから、ナツハゼの種子を採種後すぐには種する場合、は種用土は鹿沼土・バーミキュライト混合及び鹿沼土・調整ピートモス混合どちらでもよく、種子選別や種子消毒等の処理は行わなくても、60~80%程度発芽させることが可能であった。

まとめ: 
 ナツハゼの種子は、果実が熟して黒くなる前で種皮の色が薄く、硬実化していない時期に採種し、2~3週間の間に播種して温度23℃に保つと、半年以内に70%程度発芽させる事が可能である。しかしナツハゼは展葉後の生育速度は遅い。

森林遺伝資源の探索と保存に関する研究
アケビ、マタタビ、マツブサ、サンカクヅルおよびナツハゼなどの農林家の複合経営作目や地域特産物に有望な数種の野生樹実類に着目し、その栽培技術確立と遺伝資源としての優良系統の選抜保存を目的に樹実特性調査、挿し木および組織培養法による増殖試験を実施した。アケビ、マタタビ、マツブサおよびナツハゼについては、樹実特性調査により種々の有用な系統を選抜した。挿し木試験においては、アケビが鹿沼土単用の緑枝挿しで発根率100%と良好な成績を示し、ナツハゼは赤玉土、バーミキュライトそれぞれ単用の密閉挿しでいずれも平均30%の発根を確認した。マタタビ、サンカクヅルについては、鹿沼土単用で発根率にかなりの系統差がみられ、選抜には発根の良い系統を選ぶ必要があることが分かった。また、組織培養試験においては、マタタビおよびマツブサについてbw培地を用いた増殖系を確立した。

アマドコロの増やし方
 植え替えと同時に株分けを行います。根茎は分岐して芽をつくっていくので分岐点からぽきりと折って株分けします。また、芽の付いていない根茎でも土の植えに寝かせて隠れる程度に土をかけておくとやがて芽が出てきます。
 また、タネができるのでそれをまいてふやすこともできます。
 
ガマズミの増やし方
 タネまき、さし木、接ぎ木でふやすことができます。
 タネまきは秋に熟した果実を採取して果肉の部分を取り除いてすぐにまく(とりまき)か、乾かさないように砂の中で貯蔵しておき春(3月中旬頃)にまきます。花が咲く大きさの木になるまでタネまき後5~6年はかかります。
 さし木は6月~8月に行う「梅雨ざし」「夏ざし」が適当で、今年伸びた新しい枝を15cmくらいの長さに切って土に挿します。
 接ぎ木は主に園芸種をふやすときに使われるもので、タネまきから2年ほど育てたガマズミの木を台木として、そこにふやしたい品種の枝を接ぎます。

Post a Comment

Your email is never published nor shared. Required fields are marked *