干し柿作り

出典:やまびこネット

 

 渋柿は、渋を取り除かなければ食用にはなりません。渋のぬき方は色々な方法がありますが一つの方法として、干し柿作りがあります。この方法で渋を抜くと保存食としても有効で、昔の人は多くの家庭で冬になると干し柿作りをしていました。軒下に吊された干し柿の風景は、冬の風物詩として親しまれてきました。

 秋になって、実が赤く熟した頃に、収穫(しゅうかく)します。ただし、あまり早く収穫すると、干している間に、カキにカビがつきやすくなります。北風が吹いて、霜(しも)が降りる頃になったら干し柿作りを始めるのが良いとされています。

カキの実をもぎるときには、できるだけ枝の一部をつけてもぎ取ることが大切です。

  1. カキの皮を、むきます。
  2. へたの部分まで皮をきれいにむきます。
  3. ヒモに、へたの部分をかけてぶら下げます。昔はこのヒモを、ワラで編んで作りました。
  4. 雨に当たらず、風通しのよい軒下で太陽の光に十分に当てます。雨に当てたり、気温が高いと、カビがつきますから、注意してください。霜が降りて、木枯らし(こがらし)が吹く頃の季節が、干し柿を作るのには、最適の季節です。
  5. 初めは、実が固く、色も黄褐色で、渋いです。
  6. カキの種類や実の大きさにもよりますが約一ヶ月くらいで、黒褐色(こっかっしょく)になり、実が柔らかくなり、甘くなります。(時には、実の表面に、白い粉のようなものができます。食べるとおいしいです。)
なぜ、干し柿になると甘くなるのか?

 カキが渋いのは、タンニンという物質がふくまれるためです。
甘柿、渋柿どちらにも含まれています。甘柿の中のタンニンは熟すると水に溶けなくなります。しかし、渋柿の中のタンニンは形が崩れるぐらいまで、十分に熟さないと溶けなくなりません。
そのため、渋柿は食べるとタンニンがだ液に溶け、舌に触れて渋く感じます。しかし、干し柿にするとタンニンが太陽の光で変化して水に溶けなくなるため、渋くなくなります。
渋柿は甘柿と違って、渋ぬきをしないと食べられませんが、糖度(とうど)そのものは渋柿のほうがはるかに高いため、渋柿は干し柿にするととても甘くなります。干し柿の表面に生じる白い粉はカキの実の果糖(かとう)やブドウ糖(けっしょうか)が結晶化したものです。

引用:HugKum