「桃栗三年、柿八年」

出典:日経

 

「桃栗三年、柿八年」ということわざ。以前、この続きのフレーズがあるという話を聞いたが、どんな内容だったか。そもそも桃や栗は3年で実を結ぶものなのか、疑問がわいてきた。

 「桃栗三年、柿八年」を辞書で引いてみると、「芽生えの時から、桃と栗とは三年、柿は八年たてば実を結ぶ意。どんなものにも相応の年数があるということ」(広辞苑第6版)とあった。何かに取り組んだとき、すぐに結果を求めたがる人に対して、まずは地道な努力が大切と、言い聞かせる場合に使われることが多い。

 この言葉に続くフレーズがあるということを以前聞いた覚えがあるのだが、辞書には載っていなかった。そこで何冊かのことわざ辞典やインターネットで調べてみると、確かにあった。だが果物はいろいろ、年数もまちまちだった。

 まずはユズだ。「ユズは9年でなりさがる」「ユズは遅くて13年」「ユズの馬鹿めは18年」――などがあった。なりさがるの部分には「なり盛る」や「なりかかる」など複数の表現があった。次いでウメ。「ウメは酸いとて13年」「ウメはすいすい16年」など。そしてナシ。「ナシの大馬鹿13年」「ナシの馬鹿めは18年」。このほかビワもあった。「ビワは9年でなりかかる」などだ。

収穫時期は本当だった

 最後に、桃栗三年、柿八年というが、本当に3年あるいは8年かければ果物として収穫できるのだろうか。これについては、JAグループ福岡のホームページに答えがあった。

それによると、実がなるまでに桃や栗は約3年かかり、柿は6~7年だから、ことわざはほぼ合っているという。もっともユズやウメはいわれているほど長くはかからないそうだ。

実際に家庭で食べた柿や栗の種を庭に埋めて育てても、同じものが収穫できるとは限らない。販売されている品種を作るには、挿し木や接ぎ木をして育てていく必要があるという。