出典:モノセレクト
ハシバミといえばセイヨウハシバミ(ヘーゼルナッツ)がお菓子の材料としてよく知られていますが、このセイヨウハシバミと同類のハシバミ類が日本国内でも昔から自生しています。
日本国原産のハシバミ類は、ハシバミ(榛)とツノハシバミ、ムラサキハシバミです。
国内に自生しているハシバミやツノハシバミなどが現在も栽培されているというのは、聞いたことがないです。
おそらく旧石器、縄文時代から秋に山で採集できる木の実の1つとして食べられていたのだろうと思われます。
国内原産のハシバミやツノハシバミは、現在まで野生のままで栽培されてきませんでしたが、秋の山の恵みとして、積極的に採集されて食べられていたようです。
ハシバミやツノハシバミがどのように利用・食べられていたのか民俗学的な調査があまりおこなわれていないようで資料がほとんど見つけられていませんが、そんな中でも長野県軽井沢在住の老人に子供の頃の生活を聞き取り調査をした資料を見つけました。
『もう一度みたい!軽井沢の草原・湿原』の本の中に軽井沢に自生しているハシバミ、ツノハシバミについて積極的に採集して食べていたという記録があります。
その記録によると、当時のハシバミの食べ方の一端が垣間見れます。
- 味は、良く。みんな大好物だった。
- 大きなふろしきを持って取りに行った。
- まだ木になっている実をもぎ取って持ち帰った。
- 歯で噛んで割り、中の白い実をポリポリ食べた。
- たくさん採って、干しておいて冬になると石で割って食べた。
- 蒸してから干して食べることもあった。
この記録をみると、そのまま乾燥させたり、蒸してから乾燥させて保存して、冬場の食料にしたりしていたようです。
基本的には料理をすることもなく殻を割ってそのまま食べるというのが一般的だったようです。
個人的には、くるみのようにすり潰してペースト状にしたりして食べたりしていなかったのかも気になるところです。