Monthly Archives for 2010年 2月

オオアマドコロの種芋繁殖

 

 今年の春に移植したオオアマドコロも、実をつけてたくさんの種を落としたが、種から芽がでて食べられるようになるには、最低でも数年かかる。
また山菜として利用するために芽を摘んでしまうと、もとの大きさに育って次に食べられるようになるのは、3年目の春まで待たなくては株を維持できない。
 更に根を利用するためには人工的な育成が不可欠で、根を切り分けて種芋による促成繁殖を試してみようと思う。
 春に移植したオオアマドコロの芋を掘ると、移植によるストレスのためか既に4本の冬芽ができていた。
写真をみても解るように7年生以上のオオアマドコロにとって、複数の芽ができることは初めてのことで、通常、一つの芋からたくさんの芽を出すことはまれである。

 掘った芋には細い根がたくさん付いていたが、春に芽がでたあとで新しい根がでるので、古い根は必要ないので切り取ってしまう。
芽をいためないように、一節ごとにできるだけ手で芋を折って、病害虫の予防のため切口に木灰をつけて、芋の表面に付いた土が乾くまで、風通しのいい日陰で干す。
 芋に付いた土が白くなったら、芋の上部が地下5cmくらいの深さになるように植える。自生のものは芋が露出していることもあり、越冬時に凍らない深さであれば、浅植えの方が春に芽が早く出るようだ。

 この試験栽培の目的は、種芋による繁殖の方が、実生より早く収穫可能なオオアマドコロを育成することができることを確認することで、一節ごとに切り分けた芋から何年生程度の芽がでるかで評価できると思う。
【参照先不明】

 

タラの木って意外に…

 

 一番芽を採った株を再び見る機会が訪れたのだが、実際に見て驚いた。
左は3月29日、採取直前の写真。右は撮影角度こそ違うが4月18日の同じ株の写真。
タラの木は一般に三番芽を摘むと枯れると言われているが、この株は二番芽どころか四番芽まで出している。なんともたくましいというか健気というか、これを見てちょっと安心した。
脇芽を多く出すのは、危機的状況を察知するからだと言われている。この株は北側の林縁に生えていた樹高2mほどのもので、南側が開けているので育成条件も良い。そんな株ごとの条件も影響して、脇芽の数も変わるとは思うが、このまますべての芽が成長するのかと言えば、そうではないと思う。実際目にするのは二叉に別れた木が多いからだ。

ところで、タラの木は他の山菜と比べて、まさに神出鬼没の植物と言えるかもしれない。
暗い杉林が伐採されると、待ってましたとばかりにタラの幼木が生えてきたりする。
いったいどこから来るのだろうか?
実際に観察したことはないが、タラの木の実には果肉もある。これを鳥が食べて生息範囲を広げると考えるのが妥当だろう。
しかも種子は、地面に落ちても条件が悪い場合は発芽せず、休眠状態で何年もいられるらしい。この生命力は驚異に値する。
さらに根からも増える。大きな株の周りに小さな株がいくつも生えているのを見かけるが、あれは親株の根から子株が生えてきたものである。

もうひとつ不思議に思うのは、タラの木の存在意義だ。
この木は日当たりの良い伐採地や林縁に生えるが、そういう場所はやがて遷移して消えゆく運命にある。
伐採地に毎年通ってみるとわかるが、3年もすれば木々が生い茂り、それ以降は日光を遮断してタラの木も絶えてしまう。そんな短い期間に繁茂する意義があるのかと思う。しかも、もし人間がいなければ山火事でも起こらない限りこういう環境は発生しない。明らかに人間の手が入ることで種を存続させているように思える。
自然界では一般に、種(しゅ)は存続・繁栄を目的とし、生物は遺伝子の「乗り物」に過ぎないとさえ言われているが、例えば深海の熱水口周辺に群がる生物のように、そこに生息できる隙さえあれば、どんな過酷な環境でも何かしらの生物が入り込んでくる原理と同じなのだろうか。

そんな意外にも逞しいタラの木だが、実は最近、暗い林床で見つけた苗木を採ってきて、庭に植えてみた。
暗い林床なら、育たずに枯れるのが末路。ならば救済措置とまで言わないが、庭に移植してみようと思った。なるべく自然破壊につながらない株を選んで採ってきたつもりである。
例年なら、春に新芽を採取したあとは用済みのタラの木。今年から一年を通じて観察していこうと思う。
【参照先不明】

 

山菜採り(10)シオデ

 

 今日は地元の山を離れ、少しばかり遠征。
去年、単独行動の最中に発見したシオデの群生地へ、亀将軍を案内する形で行ってきた。ただし車での進入が難しい場所なので、バイク2台での行動となる。

 一年ぶりに来てみると、あるわあるわ…まさにシオデのサンクチュアリ。
ここはクヌギ林なのだが、相性がいいのか因果関係があるのか、群生しないはずのシオデが、密生こそしないがそこかしこに点在し、休む間もなく次々に採取できた。
どうもクヌギ林は、シオデ採りにおける一つのキーワードであるように思える。
「サンクチュアリ」での採取のあとは、周辺の林縁を探索。
こちらもまずまずの収穫だったが、まだ一週間ほど早い印象だった。
去年あった場所に見当たらない場合は、おそらく出始めで丈が低いために見つからないのだろう。
いずれにせよ、ここは間違いなく地元の山よりシオデが濃い。
 これだけ生えてても、相変わらず誰も採らない。
春のタラの芽やウドには敏感でも、一見ただの雑草にしか見えないシオデには鈍感なのだろう。
それに加えて、その地方で好まれる山菜が異なるという「地域差」ももちろんある。
地方によっては「山菜の女王」とまで呼ばれているにもかかわらず…である。

 亀将軍はフキとワラビ(写真右)も抜け目なく採取。
シオデはお互いに食べきれない量なので、ガサガサ隊員に配給した。
2009年6月14日 (日)

参照:ガサの花道

 

ドングリの観察 15

 

 根付きに失敗したと思い庭の片隅に集めておいたドングリの中に 何と、芽生えている個体があった。

 こうした状況を見ると、どうやら秋の発芽状態やその伸び方に 不備があっても、ドングリ自体が枯れずに生きて冬越しすれば 春となってから根を伸ばし直して芽吹くことが出来るようだ。

【参照先不明】
 
 
 
 

 

オウレン

 

1.特性
?キンポウゲ科の常緑多年草で,根茎は短くてやや太く地中を斜めに横走し,多数の黄色のひげ根を出す。葉の形の違いにより,キク葉形,セリ葉形,コセリ葉形の3種類に分けられる。冷涼適湿の日陰地を好み,高温乾燥は不向きである。冬の寒さには強く,林内の土壌が凍結しても春には新芽を出す。本県では,県北地帯の樹林地内にセリ葉形,コセリ葉形の自生が見られる。コセリ葉形は,根茎が細く少ないので栽培には用いられない。
2.薬効と用途
?オウレンは,生薬名を黄連といい,苦味健胃薬として有名である。根茎からひげ根を取り,乾燥後残ったひげ根を焼き磨いたものをミガキオウレンという。根茎はベルベリンという成分を含有し,健胃整腸の他,精神安定等の薬効もある。腹痛,下痢などに1日数回0.3?0.5gの粉末または煎剤を用いると良い。漢方では重要薬草の一つである。 続きを読む »

イカリソウ

 

1.特性
?メギ科の多年草で,種類により常緑のものと冬場に葉を落とすものとがある。硬い屈曲した根茎が地中を横走する。
?根茎から数本の茎を出し,ハート型の葉をつける。全国各地の山地,丘陵地などの樹林下に自生する。本県では,県北地帯の広葉樹林内に自生が見られる。
2.薬効と用途
?イカリソウは,生薬名を淫羊霍(インヨウカク)といい,強精強壮薬としての製薬原料,薬酒原料,民間薬として用いる。利用部位は地上部全体で,これを天日で乾燥させて使う。民間薬としては,1日8gを煎じて飲む。薬酒は,酒1.8リットルにイカリソウ20gを3昼夜浸したもの,または,焼酎1.8リットルにイカリソウ20?30gと氷砂糖をまぜ,1ヵ月してからイカリソウを取り出して用いる。 続きを読む »

誰も知らない・・信州の山菜(山葡萄の芽)

 

 余程の山菜通でも、殆どの方は食べた事は無いと思いますがこの山葡萄の新芽が実に美味しいのです。
私も初めて頂いた時は何の山菜なのか解らず天麩羅を見つめて首を傾げるばかりでした。
ご馳走してくれた友人に問うたのですが中々教えてもらえずあれこれと思い当たる木の新芽を言ったのですが当らず数日後山菜を採りに行って休憩中に石に座って何気なく目に入ったのが山葡萄の蔓、その先の新芽を見てもしやと想い後日友人に問うたところ「良く解ったね」とのこと。
それ以来、我が家のレシピに加わりました。そういわれてみればヨーロッパのある国では葡萄の葉を野菜として料理に使うと言う話を聞いたことを思い出しました。ほのかに酸味の有る他の山菜とは違った美味しさです。是非お試しあれ!:ヤマブドウ
【参照先不明】

 

古来から愛される日本の味 ハマボウフウ

 

 ハマボウフウはセリ科の植物で全国の海岸でみられる海浜植物です。独特の香りと風味を持ち、日本料理に欠かせない食材とされ、年間を通じ需要があります。

最近の報告ではビタミンA・C、食物繊維が豊富であるほか、機能性として高い抗菌性や抗酸化作用が明らかになっております。食べ方も刺身のツマ、サラダ、酢の物、おひたし、天ぷらなどが知られております。

根の食用は一般化されておりませんが、揚物に使用するとすこぶる美味です。

ハマボウフウの自生地では乱獲などにより、壊滅状態で現在では希少植物となっております。

北海道で生葉茎根の生産等できる体制化にあるのは、当工房が唯一の存在です。日本古来からの伝統の味を広く皆様に楽しんでいただけるよう、研究を重ねています。
【参照先不明】