Monthly Archives for 2023年 12月

果物と日本人

出典:水の文化センター

 

水と果物の文化を知る

 果実は、糖分がおおく甘い味がし、ビタミン、ミネラル、食物繊維など栄養になる成分を含有し、消化のよい食べものである。そこで、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンなどの類人猿は、果実を好んで食べ、果実の熟する季節になると果樹の近くに集合する。人類の祖先もおなじであったろう。

 火を使用して、それまで生食ができなかった穀物、イモ類、豆類などが食糧資源に加えられ、肉や魚を加熱調理して食べるようになる以前の人類にとって、生食可能な果物は主食であったろう。果物をよく食べることによって、人類は進化してきたのであろう。

 「くだもの」といったら、ナシやリンゴのように、甘く、水分のおおい果肉がやわらかく、生食できる果実を連想するのが普通であろう。しかし、クリやクルミの実などの堅い果実も、「堅果(けんか)」といって果実の仲間である。日本では、縄文時代の遺跡から、カキのほかに、堅果類のクルミ、クリ、ドングリ、トチの実が出土する。堅果類は保存することが可能なので、縄文人は堅果の果実を採集・保存して、主食として利用したものと考えられる。

 農業を開始した弥生時代の遺跡からは、堅果類のほかにモモ、スモモ、キイチゴ、ヤマモモ、ウメ、カキ、ブドウなどの、果汁に富み嗜好品として現代にも受けつがれた果物類が出土するようになる。これらは、稲作農業とともに中国南部や朝鮮半島から伝播し、果樹として栽培されるようになったものであろう。

 平安時代に中国から小麦粉を練って揚げた食品が伝えられると、これを唐菓子(からくだもの)とよんだ。日本では、食事以外の間食として食べられる嗜好品類を、果樹から生産される果物だけでなく、飴や餅など人工的に生産した菓子類も漢字で「菓子」と書いて「くだもの」とよんでいた。現在の「おやつ」にあたる食品をすべて「くだもの」と称したのである。

 江戸時代に甘味を加えてつくる和菓子製造が発達すると、区別するためにフルーツを「水菓子」とよぶようになり、「菓子」ということばから果物の意味を排除するようになった。果物を「水菓子」というのは江戸であり、上方では「くだもの」とよんだ。

 だが、「羊羹(ようかん)」や「わらび餅」のような、みずみずしい和菓子類を「水菓子」と称することもおこなわれた。

日本人の果物消費量ランキング
1位:バナナ(18,448g)
2位:りんご(10,363g)
3位:みかん(9,476g)
4位:他の果物(5,069g)
5位:他の柑きつ類(4,384g)
6位:すいか(3,555g)
7位:梨(3,354g)
8位:柿(2,440g)

 

種ごと食べられる「すいか」

出典:AGRI JOURNAL

 

どんな品種のスイカでも、種ごと食べられるように!? スイカの花粉「TANE FREE」
食べられる白い種&糖度も高いスイカができる!

「どんな品種のスイカでも種ごと食べられるようにする」という画期的な花粉だ。

「TANE FREEは、遺伝子組換えではなく、通常のスイカ花粉のDNAを不活化することでつくられる花粉です。授粉すると種の成長が途中で止まり、種の中身(胚乳)がない、薄くて柔らかい白い種になります。品種や栽培方法を変える必要はありません」。

 本来種を成長させるためのエネルギーが実の成長に向かうことで、通常のスイカよりも糖度が高くなるという実験結果も出ており、導入したスイカ生産者からは「食べやすいだけでなく、食味が良くなる」「高級で上品な味わいがする」「他のスイカより断然おいしい」と高い評価を得る。

 また通常、スイカの花粉の寿命は短く、ハウスの中でもつのはわずか1日。しかしTANE FREEは、真夏の勢いのある花粉のみをマイナス20℃で冷凍保存した商品のため、3~4年経っても80%以上という高い発芽率を保つ。「花粉を採取する用のスイカをできるだけ農薬を使わずに作っていることも、強い花粉づくりにつながっているのでは」と。

 

農薬を使わない、付加価値のある米作り

出典:AGRI JOURNAL

 


“農Tuber”が目指す! 農薬を使わない、付加価値のある米作り
 石川県野々市市に、米文化を次世代に継承しようと、紙マルチ田植機とともに地域の田んぼを守り続ける“農Tuber”がいる。

『加賀百万石』という言葉が示すように、石川県の農業といえば『米』である。コシヒカリのほか、石川県オリジナル品種『ひゃくまん穀』も人気が高い。そんな米どころ石川県のほぼ中央に位置する平野部に、野々市(ののいち)市はある。人口は約5.2万人、面積は約13㎢と小ぢんまりとした野々市市だが、東洋経済『都市データパック』が発表している「住みよさランキング2021」で2年連続全国1位を獲得している。

「住みよさの一因は、間違いなく田んぼです」と語るのは、株式会社林農産の代表取締役の林浩陽さん。人気YouTubeチャンネル『林さんちのゆかいな米作り』の林さん、といえば、普段YouTubeをご覧になる方ならばピンと来るかも知れない。林さんが家業を法人化して林農産を設立したのは1988年のことだが、林家は代々、野々市市で米を作り続けてきた。

「この工場を建てるとき、田んぼの遺跡が出てきたんです。竪穴式住居の跡や土器も見つかりました。野々市では遥か昔から稲作が盛んに行われていたのです。近所の博物館には籾が付着した2650年前の土器が飾られているんですよ」。

 林農産では現在、水田46.7ha、大豆3haを12名の従業員で管理している。収穫した米の60%はJA等に、残りの40%は自社オンラインショップで直販している。直販で米を高値で売ることができるのは紙マルチ田植機のお陰だ、と林さんは語る。紙マルチ田植機とは、田植えと同時に田面に専用の再生紙を敷き詰めることで田面への日光の通過を遮断して雑草の生長を抑制する、無農薬栽培に貢献するために開発された三菱農業機械独自の田植機である。

「紙マルチ田植機を使い始めてから、今年で20年目になります。あの機械は2004年製ですが、実は購入前にも実演機をお借りして使っていました。今年は4.2haで紙マルチ田植機を使いました。無農薬米は、米価の下落に関係なく、直販で確実に売れてくれます。今では、お客様に謝って注文をお断りしているくらいの売れ行きです。紙マルチ田植機を活用することで実現した農薬を使わない高付加価値米は、今では当社の収益の柱に成長してくれました」。

 

ブルーベリー養液栽培システム

出典:AGRI JOURNAL

 

ブルーベリーバッグカルチャーシステム

 世界初のブルーベリー養液栽培「バッグカルチャーシステム」の導入で、ブルーベリー栽培は驚くほど易しくなる。スプレーマム農家からブルーベリー農家へ転身し、悠々自適なブルーベリーライフを送る素敵なご夫婦。

バッグカルチャーシステム導入

「システムが自動的に施肥や灌水などを行うのが、『バッグカルチャーシステム』の特徴の一つです。水やりと施肥が全自動のため、労力があまりかからず管理が楽な点に大きな魅力を感じました。また、システムを導入してから2年程度でブルーベリーができるので、早期収穫で設備資金の短期回収ができると思いました」。

 加藤さんは、その後すぐにオーシャン貿易と契約を結び、「バッグカルチャーシステム」を導入。2年後の2017年には、優れた食味のブルーベリーが十分に採れるようになったため、IRAGOブルーベリーをオープンした。また、これとほぼ同時にキッチンカーを用意し、栽培の閑散期にブルーベリーの加工品を販売しはじめた。

栽培開始から収穫までの期間を大幅に短縮

 『ブルーベリーバッグカルチャーシステム』は、水と電気と土地があれば、日本中のどこでも、ブルーベリー栽培ができる画期的なシステム。20数年前、オーシャン貿易株式会社にて特殊な人工培地とブルーベリーの専用肥料を開発。これを機に、農業未経験者でもブルーベリーを栽培可能になったという。
 従来、ブルーベリーを植えつけてから収穫するまで4~5年かかっていたが、「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」は収穫までの期間を最短1年半までに短縮できることが最大の特徴。そのため栽培の初期費用の早期回収が期待できる。
 ブルーベリーには多様な品種があり、それぞれ味わいなどが異なり、違いも楽しめるのが魅力のようだ。複数の品種を食べ比べ、甘みと酸味のバランスの違いを楽しんだり、500円玉ほどの極大果実を頬張ったりするのも、ブルーベリー栽培の醍醐味といえるという。

 

庭中にバナナを植える

出典:ティップアンドトリック

 

一週間後に何が起こるか

 単なる果物ではない

バナナといえば、まず頭に浮かぶのは、おいしくてカリウムが豊富なスナックというイメージだろう。スムージーやデザートに入れたり、そのまま食べたりと、バナナは多くの人に愛されている果物だ。しかし、バナナのトロピカルな魅力は、そのおいしさだけではありません。バナナは家庭菜園を一変させ、あなたを驚かせるかもしれません。

 庭にバナナを植えることで、植物や土壌に変化をもたらすことができる。バナナには、植物の成長に欠かせないカリウムなどの栄養素が豊富に含まれている。バナナの皮を土に埋めることで、土に必要なミネラルが豊富に含まれます。この天然の肥料が植物に栄養を与え、より強く健康に育つ手助けをするのです。

 しかし、利点はそれだけではありません。バナナは天然の害虫忌避剤でもあるのだ。バナナの皮には、アブラムシやカタツムリなどの庭の害虫を寄せ付けない成分が含まれています。バナナの皮を戦略的に庭の周りに置くことで、有害な虫から植物を守る防護壁を作ることができる。庭の緑を保つ、環境に優しいソリューションです。

バナナと堆肥

 もしあなたがコンポスト作りに夢中なら(そうあるべきだ!)、バナナはコンポストの山に加えるのに最適だ。バナナの皮には分解を促進する有機物が豊富に含まれている。皮が分解されると、堆肥に栄養分が放出され、栄養豊富な土壌改良材となる。つまり、生ゴミを減らすだけでなく、庭のための良質な堆肥を作ることができるのです。

バナナを植えて魔法をかけよう

 さて、ここで楽しい実験をしよう。庭にバナナを植えて、1週間後に起こるマジックを観察してみてください。植物の緑が濃くなり、健康になり、生き生きとしているのに気づくはずだ。バナナの皮に含まれる天然の栄養分が土に染み込み、庭の緑が一瞬にしてパワーアップするのだ。

 しかし、私たちの言葉を鵜呑みにするだけでなく、実際に試してみて、その驚くべき変化を目の当たりにしてみてください。大自然は私たちに豊かな資源を与えてくれますが、バナナはその中でも最も素晴らしい贈り物のひとつです。バナナのパワーを庭に取り入れて、植物がかつてないほど繁茂する様子をご覧ください。

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ドローンで柑橘の農薬通年散布を実現!

出典:AGRI JOURNAL

 

ドローンの自動航行で柑橘の農薬通年散布を実現!

 ~ 過酷な柑橘の農薬散布 成功にかける苦難の道筋 ~
 柑橘栽培において、特に重労働なのが農薬散布だ。みかん畑の多くは傾斜地だからSS(スピードスプレイヤー)は使えない。複数の農業生産者が共同運営するスプリンクラーは老朽化が進み、維持管理が困難になりつつある。動噴を背負って人力で散布するのは、もはや限界に近い……。この過酷な柑橘の農薬通年散布をドローン自動航行で実現した生産者が、愛媛県宇和島にいる。

 「研究が進めば、除草剤や超高度成分肥料などを自宅で画面みながらドローン散布できる日が来るかも知れません。私は夢ではないと思っています。柑橘のドローン自動航行による通年散布は、今や現実のものとなりました。皆さんも是非、挑戦してみてください!」と平石さんは話す。

「昔から空を飛ぶものが大好きでね! 好きが高じて続けていたら、いつの間にか通年散布を実現してしまったんです」と謙遜するが、その熱意は並大抵ではない。1970年代にラジコンヘリに自作散布機を搭載して、空からの農薬散布への挑戦を開始した。新聞社やテレビ局を呼んでお披露目したが墜落……。「あれ以来、メディアの方は声を掛けても来てくれなくなりました」と笑う。

それでも平石さんは挑戦を止めなかった。農業ドローンの購入資金にするため、害獣駆除に注力。県が1尾5000円で買ってくれる狸を2年間で500尾仕留めて250万円を貯めた。そうして2016年に念願かなって手に入れたのが『MG-1』。遂にドローン散布が実現した。

「ところが『MG-1』は自動航行ができないので、まだまだラクな作業とはなりませんでした。モノレールに沿って歩きながら手動でドローンの操作をしました。小道を整備したり、緊急着陸場を幾つも作ったり……。そもそも手動は墜落の危険と隣り合わせですから精神的な負荷が酷くて、病院に通ったくらいです。黒点病に対してはドローン散布で効果がありそうだ、と手応えは感じていましたが、手動では高精度に飛行させることが難しいため、散布ムラが生じないよう常にプレッシャーがかかっていました」。

自動航行が可能な農業ドローン 挑戦を重ね通年散布を実現
 こうした挑戦を経て、遂に平石さんはドローンでの通年散布を実現した。その相棒が、今年購入したDJI『AGRAS T10』。自動航行が可能な農業ドローンである。

 「自動航行になったことで、ストレスから開放されました。また飛行=散布の精度が飛躍的に高まりました。これにより遂に、通年散布が実現したのです。柑橘農家の方には、圧倒的に効率化できる、というメリットも知って欲しいです。例えば、真夏の暑い時期で連続作業できなくても、2日あれば2haの散布が可能です。気温が低ければ1日で終了します。散布時間は、狭い圃場なら3分、広くても15分程度で完了です」。

 「平石さんが達成した通年散布は、多くの柑橘農家に可能性を示した、と言えます。例えば、今日散布するのに使った飛行ルートは、平石さんが自分で作ったんですよ。病気の出方や天候を見ながら自由に飛行ルートを変更できる。この誰でもできる使い勝手の良さが『AGRAS T10』の魅力です」。
挑戦を続け、柑橘でのドローンの活用を実現した平石さんは、「農業は本来楽しいもの」と話す。

 

ほったらかし菜園作ろうぜ

出典:Akimama

 

 ある種の野菜や果樹は、手入れをせずとも収穫を楽しめる。敷地の土は痩せ、農業技術もなく、しかし収穫は楽しみたい、という調子が良い人は、厳しい条件でも育つものを植えればいいのだ。ほったらかしで育つものなら農薬もいらない。というわけで、今回おすすめするのは、ものぐさ向けの野菜作りである。


 この条件を満たす夢の野菜がニラである。種から育てると収穫まで1年ほどかかるが、日向でも半日陰でもよく育ち、一度育ってしまえば一年に何度も刈り取れる。数十株も育てれば、週に1、2回料理に使ううちに最初に刈り取った株は再生している。ニラの無限ループである。


 おなじく、省スペースで農薬いらずの作物がナガイモ。こちらは1年に1度しか収穫できないが、つるを縦方向に伸ばすので敷地が狭くても栽培できる。秋に収穫して根塊の上部を埋め戻しておけば、翌年も収穫できる。肥料なしでもよく茂り、ほかのつる植物よりもつるが伸びるのが早い。病気や害虫にも強いのでグリーンカーテンにもぴったりだ。キュウリやゴーヤと比べても、痩せた土でもよく葉を茂らせる。


 少ないスペースで育ちながら、食卓への貢献度が高いのが薬味系野菜。大葉、バジル、ネギなどはそれぞれ数株植えておけば薬味を使うときに必要量を刈り取れる。とくに使い勝手がよいのが大葉だ。3〜4日休ませれば新たに再生するので、秋に枯れ落ちるまで何度も楽しめる。バジルはちょっと栄養や衝撃にうるさいけれど、大葉は痩せた土でもそこそこ育ち、雑に水をやっても風に吹かれても傷まない(バジルは水やりの水勢が強いだけでも傷む)。
 ネギは根っこがついてる泥ネギを買ってきて、根元を5cmほど残して植えればぐいぐい再生する。
 放任でもすくすく育つ薬味としてはミョウガも優秀だ。しかし、地下茎でワサワサ増殖し、春から晩秋まで庭で大きな面積を占める割には収量が少ない。日陰でも育つ、というか日陰を好むので、家の北側などほかの野菜が育ちにくいスペースに植えるのがおすすめだ。


 春先に初心者が葉物を植えるなら、サンチュがいい。結球するタイプのレタスは土が痩せているとうまく育たないこともあるが、サンチュやサニーレタスなどはどうやっても葉を茂らせる。育った葉を数枚かき取って利用すれば、2、3日あとには新しい葉が伸びている。1×1m程度のスペースをサンチュエリアにしておけば、トウ立ちするまで毎日サラダをボウルいっぱいに楽しめる。初めて植える葉物は断然サンチュがいい。
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常識を覆す“完全無農薬・ど根性栽培”ブルーベリー!!

出典:マイナビ農業

 

 ブルーベリーと出会ったのは、36歳のとき。農業について学ぶため、さまざまな作物を勉強していたところ、当時の組合長から声をかけられ、ブルーベリー栽培に取り組むことになった。

 アメリカ現地視察で確信!! 日本の気候や土壌に適しているのは、セオリーとは真逆の“ど根性栽培”
セオリー通りに栽培したにもかかわらず大きな失敗となってしまったが、その後、江澤さんはブルーベリー栽培の本場、アメリカ視察の機会を得ることになる。

「栽培の現場を見て、日本で失敗した理由がよくわかりました。日本と比べて、アメリカは乾燥している。雨が降らないんです。だから、かん水施設を作ってしっかり水やりをする必要があった。それに土壌の質も悪い。多量の施肥が必要な理由もそこにありました」

江澤さんがこれまで踏襲していた栽培方法は、アメリカの乾燥した気候や肥料分のない土壌に最適化された栽培法だった。一方、日本は肥沃(ひよく)な土壌で雨も適度に降る。従来の栽培法では水分も肥料分も多過ぎたのだ。江澤さんはそこから研究を重ね、日本の環境に適した、肥料も水も必要以上に与えない“ど根性栽培“を生み出した。

基本的な考え方

  • 地面に直接植える(ピートモスを使わない)
    ピートモスなどの資材を使わないことで、大地に直接根を伸ばし、強い木ができる。
  • 植え付け後、水やりをしない
    水やりをし過ぎることは、根腐れにつながる。株元を竹チップなどで覆い、乾燥を防ぐだけで十分だ。
  • 肥料はたくさんやらない(時間をかけて木を大きくする)
    肥料は年に1度(冬)、菜種かすをみそ汁のおわん1杯分で良い。肥料をたくさん与えて素早く成長させるのではなく、3年ほど時間をかけて、強い根をつくる。
  • 農薬を散布しない
    もともとブルーベリーは樹勢が強く、病害虫に強い。江澤さんの農園では、シンクイムシが出ることはあっても、木が枯れることはないという。神経質にならないことが大切だ。

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「桃栗三年、柿八年」

出典:日経

 

「桃栗三年、柿八年」ということわざ。以前、この続きのフレーズがあるという話を聞いたが、どんな内容だったか。そもそも桃や栗は3年で実を結ぶものなのか、疑問がわいてきた。

 「桃栗三年、柿八年」を辞書で引いてみると、「芽生えの時から、桃と栗とは三年、柿は八年たてば実を結ぶ意。どんなものにも相応の年数があるということ」(広辞苑第6版)とあった。何かに取り組んだとき、すぐに結果を求めたがる人に対して、まずは地道な努力が大切と、言い聞かせる場合に使われることが多い。

 この言葉に続くフレーズがあるということを以前聞いた覚えがあるのだが、辞書には載っていなかった。そこで何冊かのことわざ辞典やインターネットで調べてみると、確かにあった。だが果物はいろいろ、年数もまちまちだった。

 まずはユズだ。「ユズは9年でなりさがる」「ユズは遅くて13年」「ユズの馬鹿めは18年」――などがあった。なりさがるの部分には「なり盛る」や「なりかかる」など複数の表現があった。次いでウメ。「ウメは酸いとて13年」「ウメはすいすい16年」など。そしてナシ。「ナシの大馬鹿13年」「ナシの馬鹿めは18年」。このほかビワもあった。「ビワは9年でなりかかる」などだ。

収穫時期は本当だった

 最後に、桃栗三年、柿八年というが、本当に3年あるいは8年かければ果物として収穫できるのだろうか。これについては、JAグループ福岡のホームページに答えがあった。

それによると、実がなるまでに桃や栗は約3年かかり、柿は6~7年だから、ことわざはほぼ合っているという。もっともユズやウメはいわれているほど長くはかからないそうだ。

実際に家庭で食べた柿や栗の種を庭に埋めて育てても、同じものが収穫できるとは限らない。販売されている品種を作るには、挿し木や接ぎ木をして育てていく必要があるという。

 

ガマズミ

出典:青い森の食材研究

 

 

栄養成分

可食部100g当たり(果汁)
水分 91.5g、タンパク質 0.1g、脂肪 0.1g、炭水化物 7.9g、灰分 0.4g、総ポリフェノール 445mg

(果肉皮粉末)
水分 4.5g、タンパク質 5.3g、脂質 3.8g、炭水化物 24.8g、灰分 1.8g、食物繊維 59.8g、総ポリフェール 353mg
(分析値)

 スイカズラ科の落葉低木樹で、日本全国の丘陵地帯に自生する。
晩秋に赤くなる果実を食すことができるが、棲息する気候に応じて多数の種類があり、結実しないものもある。
青森県三八地域には元々ガマズミが多く自生しており、山で狩りをするマタギが冬の山中で見つけると喜んで食べたという言い伝えがある。
現在の生産者も「食べていると体調が良い」という実感を得ている。
独特の酸味が強いのが味の特徴で、その原因は豊富なビタミンCと有機酸にある。そのせいで食欲が増すという経験談もあるが詳細は未解明である。
生食も可能だが、果汁飲料やその加工品が主流になっている。
果汁は健康志向飲料として扱われているが、その搾汁残渣から食物繊維とポリフェノールが豊富な粉末素材も開発されている。

主な機能

 ラットにおけるストレス負荷時の生体内酸化抑制効果、糖尿状態における生体内酸化抑制効果、ラットおよびマウスにおける血糖上昇抑制効果、ポリフェノール成分のα-グルコシダーゼ阻害活性

ポリフェノール (アントシアニン, クロロゲン酸)

ポリフェノールは、ほとんどの植物に含まれている色素や渋み・苦みの成分のことで、抗酸化作用を有する化合物群である。

ガマズミの総ポリフェノール含量は高く、果汁中濃度は赤ワインに匹敵する。

アントシアニンは、赤紫色をした植物に多く含まれている色素成分。抗酸化作用があり、ある種類のアントシアニン化合物には視覚機能に良い効果が期待されている。

クロロゲン酸は、コーヒー豆に多く含まれ、抗酸化作用がある。糖分の吸収を遅らせる働きも期待されている。

ガマズミのポリフェノール類の中から抗酸化成分を探索した結果、シアニジン3-サンブビオシド (C3S) 等のアントシアニン類、ケルセチンおよびクロロゲン酸誘導体を同定した。C3Sとクロロゲン酸は含有量も多く総ポリフェノールの約半分を占め、ガマズミの主たる活性成分である。これらのポリフェノール類は抗酸化作用とグルコシダーゼ阻害作用に関与している。

C3Sはニワトコ等には存在するが、ブルーベリーやカシス、ブドウ等には含まれないガマズミに特徴的なアントシアニンである。
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