山肌がむきだしになった乾燥地帯。雑木に紛れ枝を伸ばす野生のリンゴ。ここがリンゴの古里-。県産業技術センターりんご研究所で長くリンゴの育種(品種改良)に関わった黒石市の今智之さん(54)らが今年9月、栽培リンゴの起源があるとされる中央アジアのカザフスタンなどを訪ねた。気の遠くなるような数の交配、選別などを繰り返し、目的に合った品種をつくり出す育種の世界。その源泉に触れる旅を、今さんが振り返った。
今さんは、県りんご研究所で、貯蔵性に優れた「春明21(あおり21)」や、果肉が変色しにくい「千雪(あおり27)」などを本県の有望品種として送り出し今年3月、品種開発部長を最後に退職。現在は、板柳町産業振興公社りんごワーク研究所の指導監を務める傍ら、自身の園地で民間育種家としての活動も始めている。
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