出典:理化学研究所
出典:理化学研究所
出典:マイナビ農業
新潟県の曽我農園が規格外のアスパラガスの名前の商標登録を報告したX(旧Twitter)の投稿が話題になっています。その名も「チンパラガス」。曲がったアスパラガスがチンアナゴに似ていたことから名付けたそう。
今年、曲がった規格外品アスパラを「B品」表示で売るのが忍びなくて「チンパラガス」という名前をつけて販売しましたが、正規品と同じ価格なのに皆さんからたくさん買ってもらえて大変ありがたかったです。来年も4月くらいから販売予定なのでよろしくおねがいします。あとチンパラガスで商標がとれました。
取材に応じてくれたチンパラガスの名付け親、曽我農園代表の曽我新一(そが・しんいち)さんによると「曲がったアスパラガスは規格外になるので、どうしても安く売らざるを得なくて。なんとか高く売りたいと思い、『チンパラガス』と名付けて一つの商品にしました」とのこと。チンパラガスはネーミングの甲斐(かい)もあり、正規品と同じ価格で販売できたそうです。
実はこの曽我農園、ネーミングで話題になるのは今回が初めてではありません。同じく曽我さんが「闇落ちとまと」と名付けた規格外トマトでもバズった過去がありました。
もともと曽我農園の主力品目は、栽培時に水やりを制限することで甘くする高糖度のフルーツトマト。しかし、糖度を上げようとするあまり、水やりを制限し過ぎると、黒く変色した「尻腐れ」と呼ばれる状態になります。この状態のトマトは、見た目に反して大変甘くおいしいのが特徴で、それをネーミングとともに打ち出し、曽我農園の直売所で販売したところ、毎日売り切れになるほどの大人気商品に。
曽我さんは「規格外品はできるだけ出さないように作っています。ただ、直売所やインターネットで高価格帯で販売するフルーツトマトの場合、ストレスをかけて育てるので規格外品が出やすくなります。そういうのを捨ててしまうと利益がほとんど出ない状況になるので、付加価値をつけて販売することは大事になるかと思います」と、規格外野菜を一商品として確立させ、価値を上げる重要性に言及しました。
もちろん曽我農園はネーミングだけで評価されている生産者ではありません。メインで栽培している越冬トマトは、日本野菜ソムリエ協会主催「全国トマト選手権」のミディアム部門で2年連続最高金賞を獲得。プロも認めるおいしい野菜を作った上で、ネーミングによる高付加価値を実現しているのです。
このように人気の高い農作物を生み出している曽我さんは、ブログや本の執筆、地元紙での10年にわたる農業コラムの連載の経験も。そのような執筆経験を通じて思いついた“ネタ”をメモする癖がついたことから、「配達や運転の時にふっと思いついたものをメモしています」と、キャッチーなネーミング作りのヒケツを教えてくれました。
また、曽我さんは漫画や映画が好きな自称“オタク”であり、その趣味もネーミングの着想の一部となっているとのこと。
曽我農園はこのほかにも、極太アスパラガスを聖剣に見立てた「エクスカリバー」、トマトの発音をネイティブの英語話者の発音に近づけた「タメィロゥ」など、ユニークな商標を多数登録しています。
曽我さんはチンパラガスの投稿に対する多くの反響を受け「消費者の皆さんには実際のアスパラガスはまっすぐなものだけではないことをリアルに知ってもらったり、農家の皆さんにはどういう風にしたら人気が出るのかを考えていただいたり、ということにつながると良いかな」と話しました。今後も曽我さんはおいしい野菜の生産に真摯(しんし)に取り組みながら、面白いネーミングで規格外野菜について考えるきっかけを生み出してくれることでしょう。
出典:トクバイニュース
フライパンでゆで卵を作ると、普通に作る場合に比べ、お湯を沸かす時間が短縮できて時短になります。
また余熱で火を通すため、ガス代の節約にも。
ゆで卵は加熱時間の調節が難しく、固すぎたり半熟すぎたりとなかなか理想の状態を作るのが難しいのですが、フライパンゆで卵なら失敗なしで作れるのもうれしいポイントです。
お好みの仕上がりにするための加熱時間の目安は下記のとおりです。
それではさらに詳しく、フライパンでのゆで卵の作り方を紹介します。
<材料>
卵(M~Lサイズ)…1~5個程度
水…200ml
蒸らし時間は下記が目安です。
・とろとろ…3分
・半熟…5分
・固ゆで…10分
蒸らし途中でもフタを開けないようにしましょう。
フタがない場合は、フライパンでゆで卵は作れません。フタがないと、蒸し焼きにしたり、余熱で火を通したりできないからです。
フタつきの鍋があれば、鍋でもフライパンと同様の作り方ができます。もし鍋のフタもない場合は、普通に茹でる方法で茹でた方が、失敗なくゆで卵が作れます。
とろとろは黄身が流れ出る程度、半熟は黄身がしっとりしている程度、固ゆでは黄身がしっかり固まっています。
卵のサイズ、水温、フライパンの大きさなどで固まり具合は変わりますが、何度も作ってみて、失敗しにくかった時間を記載しています。
もう少し半熟がお好みの方や、S~Mサイズと小さめの卵を使う場合は、加熱時間を1分減らして4~5分にしてもOKです。
とろとろや半熟は、煮卵や麺類のトッピングに、固ゆではサラダなどに使えそうですね。
ぜひお好みの固さになる、ちょうどよい時間を見つけてみてください!
出典:マイナビ農業
出典:現代農業
みなさんの地域では、気候はいかがでしたか? 私の住んでいる小笠原の父島でも、例年より気温が高く、夏の農作物の管理が大変でした。さらに、近年は大干ばつだったり、警報が出るほどの豪雨だったり、降水量の大きな変動が頻繁に起こっています。実際、この原稿を書いている前日(10月18日)、約50km離れた母島で1時間雨量125mmの記録が! 私たちはこの危機的変化にどう対処すればよいのでしょう?
じつは、森本農園ではすべての農作物が不調だったわけではなく、反対に前年より2~3倍増収した野菜もあります。ここ数年で取り組んだことといえば、不耕起栽培と「生き草マルチ」(2023年5月号)、有機物の大量投入、化学肥料不使用、農薬削減です。少しずつ同時進行しているので、どれが決定的か不明ですが、私の観察から想像したことを報告してみます。
23年前に始めた野菜畑には、工事現場から出る赤い心土を50cmの厚さで客土して、有機物はゼロでした。雨が降ればぬかるみ、乾けばカチカチ。堆肥を入れ、刈り草をマルチし、機械で深く耕すこと15年、土が黒っぽくなってきました。
最初の頃は除草剤を散布して、作付け前に2~3回耕耘していました。ただ、土がよくなると、ミミズやワラジムシ、キノコの菌糸などが増えて、有機物の分解を助けてくれるようになります。生物によくない気がして、まずは除草剤をやめました。それでも耕耘するたびに、生態系を破壊してしまいます。私も年をとり、歩行型耕耘機を扱うのが辛くなってきたので、だんだん耕すのを浅くして、ウネも低くなりました。そして遂に不耕起を実行! 2年前から耕耘機での作業をやめてしまったのです。同時に化学農薬(殺虫剤・殺菌剤)も使わなくなりました。
耕耘していないので、土はフカフカしていません。表層は有機物マルチが分解した腐植で覆われていますが、その下の層は踏みつけても硬い感触です。杭や棒もすいすい差し込めません。しかし、スコップで掘り起こすと小さな穴だらけ。雑草の根穴か、ミミズなどの土壌生物の通り道だと思います。
1日に80mm以上の大雨が降っても、あっという間にサーッと吸い込まれていきます。反対に、水やりしなくてもキュウリがすくすく育つようになって驚いています。以前は毎日必ず、かん水チューブで地面がビショビショになるまで水をやっていたのですが。
耕起しないでいると、土の中で間隙がどんどん増えて、酸素も行き渡り、植物は可能な限り根を伸ばします。おそらく、畑全体に生物ネットワークが張り巡らされていて、水や肥料、微量要素などが根と微生物の間で交換され、運搬されているのでしょう。
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出典:アマノフーズ
出典:JR
大鰐温泉もやしは、長さ40cmほどの大鰐地域でしかとれないもやしで、大豆もやしとそばもやしの2種類があります。豆もやしは「小八豆(こはちまめ)」という大鰐でしかとれない在来種を、そばもやしは階上早生(はしかみわせ)という青森県で生まれた在来種を使って作られます。
最大の特徴は、加熱しても損なわれないシャキシャキとした食感。水耕栽培のもやしに比べて、カルシウムや鉄分、ビタミンなどが豊富です。冬期でも栽培でき、栄養価の高いもやしは、古くから冬が長い津軽地域の人々にとって、たいへん貴重な野菜でした。
大鰐温泉もやしの歴史は古く、今から約350年ほど前の江戸時代にまで遡ります。文献によると、弘前藩3代藩主 津軽信義公が大鰐を訪れた際にもやしを食べ、そのおいしさに衝撃を受け、広めたとされています。つまり、現地の住民たちはその前から当たり前に食べていたということ。一説では「800年以上の歴史があるのではないか」とも言われるほど、大変歴史のある野菜なのです。
大鰐温泉もやしは生産者の高齢化や後継者不足に伴い、一時は消滅の危機に追いやられたことも。「貴重な伝統野菜を後世にも語り継いでいかねば」と、生産者の育成に腰を上げたのが、プロジェクトおおわに事業協同組合の相馬康穫(やすのり)さんです。
町のためにさまざまな地域プロジェクトを手がける相馬さんが、一子相伝の技術を受け継ぐ生産者と新規就農者を繋ぎ、大鰐温泉もやしの技術を次の世代へ繋げています。
江戸時代から続くもやし農家さんがどんどん減少する中、約3年間の修行を積んだ新規就労者が次々に誕生し、現在は、江戸時代から続く1軒を含め、計6軒の農家さんが生産に取り組んでいます。
もやしを育てる八木橋順さんのハウスを訪ねました。温泉もやしの栽培は、11月中旬から5月上旬にピークを迎えます。一般的なもやしは水耕栽培で作られますが、大鰐温泉もやしは土耕栽培。温泉熱で土を一定の温度に温めて作ります。
八木橋さんは「もやし栽培は土作りが要」と言います。土は、温泉水やもやしの残渣を混ぜる作業を一年間繰り返して、ようやく仕上がる努力の産物。品質を一定に保つために、毎日全ての土を入れ替えているというから驚きです。八木橋さんは、「土作りは見えない菌を育てることでもあります。その日の温度や湿度によっても土の状態が変わるので、とても気の張る作業です」と教えてくれました。
八木橋さんが大切に育てているもやしを見せてもらうと、なんともやしがピクピクと動いているではありませんか!1週間ほどで収穫できる成長スピードの早い野菜なので、成長が肉眼で見てわかるのだそう。まるで生き物のように小刻みに動く愛らしい姿に癒されました。
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出典:現代農業
菊池さんの有機ミカンの栽培を学ぶべく、毎年多くの視察が来る。菊池さんの樹を初めて見た人は驚き、決まって「常識はずれ」というそうだ。でも、菊池さんが意図を説明すると「確かにこれなら病害虫が出にくいから、有機でいける」と納得し、その後も足しげく通うようになるという――。
極早生の収穫が始まった10月上旬。菊池さんのミカン畑を訪ねると、樹の半分だけに果実がなっていた。この樹は約30年生の日南1号(極早生)だが、樹齢や品種は関係ない。畑一面、ぜーんぶこんななり姿なのだ。
近寄ってみると、着果側の結果母枝(けっかぼし)はどれもS~M玉が4~5個ついて、鈴なり状態。無摘果とのことで着果ストレスもかかるからか、おいしいミカンの特徴といわれる扁平で果皮とじょうのうの薄い小玉果ばかりである。
驚いたのは、有機栽培なのに果皮がきれいなことだ。ところどころ黒点病やミカンサビダニの被害果があるものの、さほど気にならない。枝葉も青々としている。
慣行の場合、年間の防除回数はおおむね20回前後。それと比べて有機JASは防除回数も使える農薬の種類も制限されるので、ふつうならもっと病害虫の被害が目立つはずだが……。なんでも、果皮がきれいすぎた年には、「本当に有機栽培?」と疑われたこともあったのだとか。
「うちは基本、防除は基本1回だけやで」という菊池さんに、この樹が植わっている畑の、23年作の作業の流れを聞いた。防除は計2回で、1回目は黒点病、ミカンサビダニ、カイガラムシ類の初発時期が重なる6月頭。今年はミカンサビダニが多かったので7月に2回目をやったが、通常は1回だけという。
「せやけども、これ見てみ」と菊池さんが指さす結果母枝には、イセリアカイガラムシがポツンと1匹いるだけ。すでに死んでいて、触るとポロっと下に落ちた。
「防除が少ない分、天敵も多いんやと思う。害虫の密度が高まる前に、天敵が食べる。いいバランスがとれとるんやろな。ほら、これらもうちの従業員よ」という菊池さんの畑は、そこらじゅうクモの巣だらけだ。
「うちらみたいに有機でしよるもんは、農薬を使わずに病害虫の発生率を下げないけんのですよ。やけん、20年くらい前にこのやり方を取り入れたんよ」
1本の樹をおおまかに半分(着果側と無着果側)に分けて、一作ごとに交互に入れ替えるこの方法は「半樹交互結実」などと呼ばれ、以前から隔年結果(かくねんけっか)対策の一つとして各産地の慣行栽培でも取り入れられている。もちろん菊池さんもそれをねらっている。
しかし、「常識はずれ」といわれるのはこのなり姿そのものではなく、無着果側の発育枝(はついくし)のつくり方だ。ミカンは発育枝が翌年の結果母枝になる。そのため、従来の方法は生育途中に樹の半分を全摘果して無着果側を設け、そこに発育枝を出させるというもの。一方、菊池さんの場合は――、
「前年に実をならした側は、せん定で母枝を全部切り戻して丸坊主にするんよ」
着果側を丸坊主? 論より証拠、まずは写真を見てほしい。これは右半分が着果側だった樹の、2月のせん定直後のようす。「右半分だけ枯れた?」と思ってしまうほど、着果側はほぼ骨格枝しか残っていない。その後、発育枝を出させるという。
「みんなが驚くのはここよ。せん定っていうよりも刈り込みって感じ。常緑樹を丸坊主にするなんて、ふつう考えんやろ(笑)」
確かになんとも大胆な方法だ。でも、丸坊主にして病害虫の発生率が下がるのはどうしてだろう?……