今日は、秋田杉と地名を冠するスギの名産地にいながらこれまで見たことの無かった【スギ】の実生についてお話ししようと思います。
誠に勝手なイメージですが”実生”と言えば直ぐにブナを思い浮かべますが、なかなか他の樹種は思い浮かんできません・・・。多分これまでも自分の足下にたくさん色々な実生があったのでしょうけどそれほど注意して観察したことはありませんでした。
それだけに【スギ】の実生はなんというか・・・印象に残ってしまいました。
スギの枯れ葉の間にちょこんと見える緑が【スギ】の実生です。
このスギの実生の生育段階をアサガオに例えて言えば・・・「種」を植えて、「双葉」が開き、「本葉」が数枚出てきたところと言えばイメージできますでしょうか?
スギの場合、運良く発芽しやすい場所に落ちた種が、芽を出し双葉を広げた状態にあたるのが少し大きめ(長め)に見えている3枚の葉。その後小さな本葉を広げ始めた、生まれたばかりの【スギ】の実生が↑です。
私が知っているスギの稚樹と言えばサイズは小さいものの既に見慣れたギザギザのスギの葉を付けている物だったのでこの姿は印象的でした。よく見ると他にもたくさん見えます。
ここは高場森山頂付近。既に周囲には桃洞スギと呼ばれる天然杉が林立している場所。この実生の中から1本でも大木になればおよそ現在の密度が保たれるのだとか・・・という事はこの先どれだけ過酷な環境にさらされるのか?生存競争が待っているのか?
ブナの実生もこれが本当にやがてこんな大木になるのか?と思ってしまうほど華奢に見えてしまいますが、ブナよりももっと天に近いところまで伸びる杉の実生がこれほどまでにか弱い存在なのか?と思ってしまいます。
今、私の目の前にそびえ立つ大木達が数百年前はこの様な姿であったという現実に畏敬の念を覚えます。
【参照先不明】